荒沢岳・未丈岳 2006

日程:2006・10/9〜10 曇りのち快晴
メンバー:富永、ななこ
報告:ななこ


行程:8日 16:30東京発〜21:00テント場着
   9日  荒沢岳登山口07:10〜前山08:00〜前ぐら10:20〜
、、、、、、、荒沢岳山頂(11:40-14:50)下山開始〜登山口着17:30
   10日 テント場(07:40)〜三ツ又口(08:30)〜ピーク1204
       (09:50)〜未丈ガ岳山頂(12:10-13:30)〜
、、、、、、、テント場着16:30
     


8日 台風の影響を受け秋雨前線が活発化し大荒れと化した連休で、山岳事故のニュースを耳にしながら、まだ大雨が続く新潟に向かって車を進める。案の定関 越トンネルを抜けるとそこは、大荒れ。まるで洗車状態である。小出のインターをおりコンビニに寄ってから湯の沢トンネルヘ向かう。真っ暗なトンネルの中を しばらく進むと左側にシャッターがみえた。白いスプレーで未丈ケ岳と書いてある。シャッターを開けると真っ暗な世界が広がっているようだ。雨の降ってるせ いかなんだか無気味。50mほど行くとだんだん様子がわかってきた。広場になってるようだ。水たまりを避けて雨の中急いでテントを張る。

9日 翌朝1時間寝坊して起床。予定どおりたっぷりと降った雨はあがっていた。食事をすませシャッ ターをあけ、トンネルを10分くらい車で走り銀山平へ向かう。北ノ又川右岸の舗装道路の左側に駐車場に5台車がとまっている。道標から登山道へ入るといき なり急登となり、ぬかるんでいるのでよけいに歩きにくい。雑木林の中前山まで登る。右から石抱からの登山道と出会う。山々はまだガスの中。しばらくブナ林 が続く。なんだか木々の葉がひとまわり大きく、きのこが手の平サイズがびっしり上を向いて生えている。先日の南アルプスの山域とはまた違って山が肥よくに 感じた。豪雪山域だからなのか・・・。
尾根通しに登山道が続き、前方に急峻な岩峰が現れる。前くらだ。鋸歯状になっている。


どこのルートで越えていくのだろう。まずはミズナラ、ブナの雨で滑りやすくなった木の根をよじ登りから始まり、岩場を伝わって中間点に到達する。その後は 岩棚を下りぎみにトラバースし、草付き混じりの水がちょろちょろでている急な岩場のルンゼ沿いを登る。手がかり、足がかりはたくさんあるが、すさまじい高 度感。太いりっぱなクサリが行くべきルートを導いてくれている。11月初旬にはクサリを外してしまうらしいが、下りはロープなしではいやだ。それにしても この長いクサリの撤収作業はたいへんなことだろうと思う。慎重に登りきって前くら山頂に着いてほっとした。ずいぶん高く登ってきたようだ。振り返ると奥只 見湖がきれいに見える。蛇子沢の谷底の流れがすさまじい。ほとんどの沢筋にしっかりと雪渓がある。今年はやはり豪雪の年だったことが伺われる。しばらく休 憩する。ずいぶんガスがあがってきたし太陽も射しはじめた。いいぞ!気持ちは軽やかなんだが、主稜に向けてかなり長く延びる吊り尾根をお疲れぎみで歩いて る私たちを後ろから速いペースで単独の人(下田の岳人)が私たちを追い越していった。おもわず『速いですね』と声をかけた。ハイマツやシャクナゲの登りを ひたすら歩く。


主稜線間近かササに変わりようやく荒沢岳山頂に到達。頂上には8人くらいの人がいた。360度の展望!残念ながら、どの山の稜線にもガスが・・・。大休憩 しながらガスがとれてくるのを待つことにする。30分も経つとふたり下山しひとり減りと4人になっていた。

それからすさまじい勢いでガスがとれてきはじめる。中ノ岳がみえ灰ノ又 山、兎岳、平ケ岳、越後駒ケ岳、巻機山、奥白根、燧岳、浅草岳、会津駒ケ岳、会津朝日、毛猛山、守門、矢筈、粟ケ岳・・・
私はこの山域ははじめてなので、教えてもらう。トミーは学生時代合宿で越後駒ケ岳から谷川岳まで縦走したそうだ。次々に山々が現れてくるので嬉しくてしょ うがない様子だ。4人みんなで山の名前あてっこ状態。会津駒ケ岳あたりがみえたころに単独行の若者が下山していった。冬山の偵察にきたらしい。守門岳の後 ろの山が矢筈岳だよなんて、『やはず』とトミーが読めたことに、あの私たちをさらっと追い越していった単独の男性が感激し、もうノリノリ。私も目を凝らし て槍ケ岳と富士山を探し当て気分がいい。1/25000の地図はみえずらくなってきたが、遠くはよくみえるんです。ふたりに感心されて益々気分がよくな る。このころには雲ひとつないすばらしい天気。3人で3時間半も山頂で盛り上がっていた。時計をみると14時40分過ぎ。ピストンではあるが、あのおっか ない長いクサリ場を暗い中を下りたくないので、なごりおしそうにしているトミーを急き立てる。がんがん下って、なんとか日があるうちに駐車場に着いた。
下田の岳人にまた山で会う約束して別れた。明日は、以前より行きたかっ た未丈岳に登る。わくわくしながら温泉に入いった後、またトンネルの中にあるシャッターを開けて、テント場にもどった。

 10日 今朝もまた寝坊で、起床。テントから顔を出すとすばらしい秋晴れ。
平日ということで私たちだけの未丈ガ岳を満喫できそうだ。今年は熊の出没が多いので、気をつけてと昨日知り合った下田の岳人の言葉を思い出し、熊鈴がない ことにちょっと不安を感じながらの出発。泣き沢沿いの登山道を進んでいく。山が深いのでとても気持ちがよい。ところが最初の徒渉で増水のため膝までの裸足 で徒渉となる。やれやれと右岸から左岸へ移り泣き沢のへつり道で、三ツ又口の手前でまた右岸へ移るのだが、またしても裸足で徒渉となる。すっかり足が冷え てしまった。

クサリをよじ登り、広々としたブナ林をぬけ標柱に従って進んでいく。ひときわ大きな水流の音に3回目 の徒渉を覚悟したが、黒又川本流に架かる真ん中が折れ曲がった赤い鉄橋を渡る。けっこうな高さがあるのでポツポツ穴から激流が見えて緊張する。豪雪ならで はのみごとなV字形橋に感動。三ツ又口は、泣き沢、黒又沢、水頭沢の出合いとなってそれぞれがごうごうと迫力のある流れをなしているさまにまた感動。登山 口の標柱を進み、ほどなく尾根に取り付きどんどん高度をあげていく。昨日登った荒沢岳をはじめ越後駒ケ岳、中ノ岳も姿をあらわす。眼下にはまるで毛細血管 のように山々を縫って谷底の水が見え隠れする。さすが越後の沢、あなどれない。山頂に向かってひたすら登る。ブナの原生林が広がり、きらいな蛇がひなた ぼっこをしていた。3匹にであう。勘弁してほしい。


岩場や崩れた足場の悪い箇所や木々の根っこを登ってしばらくすると灌木帯があらわれ、ネマガリタケのヤブをかき分けて山頂にでる。なんだか様子が違う。想 像していた景色とはほど遠く、ただネマガリタケに覆われ狭いだけ。とりあえず写真を撮るが・・・
北方面に矢筈岳に続いてる踏み跡がうすくある。右に目をむけるとなんか広々とした感じはするが。トミーがにやにやして下りようかという声にがっかりして左 側にしっかりとした踏み跡をたどり背丈以上もあるネマガリダケをかき分けちょっと行くと黄金色の草原にひょっこり飛び出た。ああここが期待していたとおり の未丈ガ岳である。登ってくる途中では、たぶん気が付かない人が多いのではないだろうか。とにかく嬉しい。写真撮ったり、柔らかい草に寝転んだり、雲ひと つない空に山々が連なっている様をながめたり。1時間半くらい満喫する。

案の定トミーがまた下山をごねるが、今日は東京までこれからもどらな きゃいけない現実がある。後ろ髪を引かれる思いで下りていった。
同じく帰りも2回裸足の徒渉したついでに水筒に沢の水を汲んでおみあげにする。きっとおいしいコーヒーが飲めることだろう。
帰りは温泉寄り、高速のインター前の食堂で、魚沼産のコシヒカリであろう定食を食べて充実した山行にたいへん満足して東京へ車を走らせた。
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