北アルプス(白馬岳〜唐松岳)縦走

日程: 2007・8/16〜17  
メンバー: ななこ
行程:

16日(晴れ)

猿倉6:10 白馬尻7;05〜7:10 大雪渓終了 点8:20 村営頂上小屋10:30~11:00 杓子岳11:20 鑓ガ岳13:10 天狗山荘13:40(幕営)


17日(曇り、強風とガス)

幕営地5:15 天狗ノ大下り6:10 不帰キレット 1峰7:00 2峰の南陵8:00 唐松岳山頂8:45 唐松小屋9:00〜9:20 丸山ケルン10:00 八方池10:50 リフト・ゴンドラ 八方 ゴンドラ乗り場口12:00

アプローチ

とにかく今年の夏は暑くて天気が安定している。高山の縦走 を久しぶりにやりたくなり、思い立ってザックにパッキングし、15日午後より電車利用で白馬駅着19:45。諏訪湖の花火大会で電車遅れる。白馬駅のロー タリーではよさこい祭りが開催中で大にぎわい。ステーションビバーグやめて正解であった。予約した八方のペンション「タイムリー」のご主人に迎えにきても らい、宿泊する。

    

16日
ラッキーなことに、他の登山者6人とともにワゴン車で猿倉まで送ってもらうことになった。空は青いし気持ち良い夏の朝にわくわくする。夏休みなので小屋の 前にはすでに15人位の登山者がそれぞれに身支度をしている。駅発の一番バスが到着しない前に歩き出すとする。途中、鑓温泉への道を左に見て長走沢を渡る 橋を越えると白馬岳から小蓮華山への稜線が見える。しばらくして白馬尻に到着。灌木帯を少し登り台地にでるとケルンがたっていた。ここから大雪渓入口とな る。久しぶりに荷が重いので快適に歩きたいため軽アイゼン装着。真夏の登りは雪渓歩きに限るね。快適!見上げれば右岸側を登山者の登っていく列が続いてい る。13年前にきたときは、確かもう少し左側ぎみに登った記憶があるが、見るとそのあたりに、大きなクレパスができている。あのときは落石やら、近くに雷 が落ちて髪の毛が逆立ったことには後にも先にもあんな恐怖はない。そんなことを思い出しながら歩いていく。ゆるやかだった斜面がだんだんきつくなり、急斜 面を登り切って葱平に着き、小休憩とする。この上あたりからまるで黄色いジュータンを敷いたような「お花畑」が続く。シナノキンバイ、ミヤマキンポウか な。稜線に小屋が見えてくる頃、これでもかというくらいの花、花。おかげでバテそうなところだが気分が紛れて助かる。疲れきったところで村営頂上小屋に到 着。補給した冷たい水をたっぷり飲みながらベンチに腰掛けて今登って来た大雪渓をながめる。
ちょっと風がでてきたようだ。30分後に、幕営予定の天狗平山荘をめざす。ほとんど水平な稜線にはみごとなお花畑が続いている。花好きの人に人気が高い山 であることに納得する。台形のような形態をした杓子岳の頂上経由のルートと黒部側の中腹をトラバースしているルートにわかれているが、躊躇することなくト ラバースに進む。杓子岳と鑓ガ岳にはさまれたコルから急な登りが続く。鑓ガ岳の頂上は踏んでおきたいと思い、広い肩のような所から左に進んで山頂に到着。 居合わせた登山者同士でシャッターを押してもらい別れる。鑓温泉に向かうらしい。ここも風が強いので、早々にガラガラした岩屑の斜面を下る。大手原への分 岐をこえて稜線を進み、やがて左斜めに下っていくと雪渓が現れた。下りきって天狗平山荘に到着。真っ黒の建物でなんだか格調高くもある。北側のくぼみがテ ント場になっていて信州側のながめがなかなか。歩いて来た白馬鑓ケ岳が美しい姿をみせている。雪渓の水は豊富で冷たくおいしい。強風のためテント設営にて こずったが、岩がごろごろあるのでしっかり張ることができた。ガスもでてきたようで明日の不帰キレットを風雨の中通過するのはいやだなと思いながらテント にもぐりこむ。日没にはいくぶん風も落ち着いた様子であったが、夜中にものすごい風の音で2、3回目がさめた。
17日
4時40分起床。相変わらずの強風とガスではあるが雨は降ってない様子。7張りほどのテントは無事のようだ。朝食済ませテント撤収しながら空の様子を見 る。みんな迷ってるようだ。行ける所まで行ってやばそうなら引き返すと決めて5時20分にテン場を出発する。稜線に出て歩き始めるが、5m先は見えないが 登山道はしっかりしているので問題ないが黒部側から巻き上げてくる強風には参った。バンダナで覆面をしてカッパの帽子をしっかりかぶらないと息ができな い。「天狗の大下り」と呼ばれている標高差300mの急な下りの手前で単独の男性に追いつく。その後彼とは、抜きつ抜かれつで唐松岳までいっしょになっ た。ペンキマークに導かれどんどん下って小さく登ってまた下って鞍部に立つ。このころになるとガスが晴れてきた。風は相変わらず強いがだいぶ慣れてきた。 二峰の垂直な岩壁を5人パーティが下って来てるのが見えた。しばらく待つことにする。
取り付いてみるとホールド、スタンスもいっぱいで岩もしっかりしている ので以外に楽に登れる。クサリもしっかり付いていてなんの問題もない。山頂部は長野側をトラバースするので風の影響も受けることなく進んで「一峰の頭 」 に到着。ここは先を急いでアップダウンを繰り返し、「二峰の南峰」に立つ。三峰は黒部側を巻いてハイマツの間を抜けてザラザラした砂地の斜面を登っていく と、唐松岳頂上の標識がたっていた。先に到着していたあの単独の男性と写真を撮りあってザックをおろしていっしょに休憩する。展望はないが唐松小屋からの 登山者が登ってくるのはみえた。彼は今日は五竜岳で幕営予定らしい。きっと明日は完全に雨だろうからもう下りるという。「私は八方尾根からリフト、ゴンド ラでるんるん下って温泉が待っているんだ。ごいっしょにどう?」というと「ああ〜悪魔のささやきだ〜」といって2人で笑った。空はだいぶ明るくなってきて いた。
その後分岐で別れ、私は八方尾根の下り道を進んでいった。ここもずーと チングルマの群生がすばらしかった。今年は夏と秋の花が混在して咲いてるらしい。穂高連峰とはまたちがう魅力のある山域だなと再度納得する。丸山ケルン、 第二ケルン、八方池のまわりには観光客がおおぜいなので通過して第一ケルンまで一気に下ることにする。たくさん咲いてるマツムシソウのブルーが美しい。気 持ちいいリフトとゴンドラを乗り継ぎ、ステーションのおじさんに温泉の場所をおしえてもらう。下界はやっぱり暑かった。温泉でさっぱりした後、紹介しても らったおいしいもりそばに満足し、高速バスで新宿へ向かった。子仏トンネルあたりから渋滞がはげしく1時間30分遅れで到着したが、たまたま隣の席に居合 わせた日本語の達者な登山者で、イケメンのスペイン青年と山の話しで盛り上がってたっぷり楽しめたのは、ラッキーだった。残念ながら11月へヨーロッパへ 帰るらしいが、日本で登山の楽しさを憶えたので向こうにかえったらアルプスをトレッキングするんだとグリーンの目を輝かせながらしゃべる彼もまた輝いてみ えた。やっぱり単独の登山はやめられない。
、、、記 録:ななこ
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