08/02/02 滝子山山行報告書

メンバー ななこ(L)、つくる、すずとも+2

本日はこの滝子山において、読図山行/岩場でのアイゼントレーニングである。難路とされている南稜 コース(ジャクショウ尾根)を地図とコンパスを使いながら滝子山の頂上を目指し、途中の岩場で12本爪アイゼンを使った岩場のアイゼン歩行トレーニングを 行う。

8:00

登山口の最寄り駅、中央線JR笹子駅で集合。私は横浜線経由できたのだが、横浜線、中央線ともに、ヤ マヤさんがいっぱいだ。天気もいいし、翌日曜が雪の予報のため、あわてて登る人が多いのかも。ほとんどみんな、高尾や藤野で降りてゆく。奥多摩に行った人 も多かろうと思う。
本日はななこさんの友人お二人とも合流。5人で、笹子駅でアイゼンの最終サイズ確認をし、スパッツをつける。
笹子駅は無人だった。水道もあった。
この日は私の「モンゴル帽(ななこさん命名)」デビューの日である。モンゴル帽が何なのかは写真をご覧いただきたい。

8:20

駅から歩き始める。
いい天気で、歩いていると暑くなってくる。左に滝子山、右には酒の醸造所。帰りによりたいねーなどといいながら歩く。どうやら酒がタダで試飲できるらし く、ヤマヤのパラダイスになっているらしい。甘酒は有料だそうだ(なぜ!)。

9:00

林道を少し歩くと、もうがちがちに凍っている。いくら凍った道に慣れていても、アスファルトみたいな 平らなところが凍るとやはり太刀打ちできない。林道を北に向かう西側の一般登山道は凍りまくりだと聞いた。林道の途中まで、タクシーに乗った中高年登山者 のグループがいた。タクシーがそこまでしか来られないのか、凍っていたから諦めたのかよくわからない。
林道を右に曲がり、南稜コースに入る。あばらや(?)みたいな家が二件建っていて、左側の家の右横の竹林を抜ける。正直コワい。山に一人でいてもコワくな いが、こういう廃屋みたいなのが一番コワい(想像力豊かなもので)。一人じゃなくてよかった~と思いつつ、登り始める。
軽く薮こぎ気分で臨んでいたのだが、一部の地図では点線ルートになっているだけあり、落ち葉で埋もれていても踏み跡は明瞭だ。雪がついているところには、 1、2人ぶんの新しい足跡もある。

10:07

登山開始より約1時間。標高計を見ると、1115m地点だ。まわりにも雪がたくさんついてきた。登り 口が600mちょっとくらいだったので、結構いいペースで登ってきたようだ。道は傾斜が強く、特に登り始め30分はきつい。無理せず小股で登らないと、あ との岩場で疲れてフラフラしてたら滑落しちゃうので注意!
つくるさんのあとについて登っていたが、彼の歩き方は非常に勉強になる。安定していて、無駄がなくて、着実だ。「速いですか、遅いですか」とペースを聞い てくる訳でもなく、みんなの疲労度と歩き方からペースを調整して、休憩をとることなく1時間なり歩き続けられるようにしてくれる。水分補給のタイミングな ど、最高である。早く歩いて待つ、早く歩いて待つ、というふうに足が速い人はよくするが、つくるさんは歩調を自分も調整してくれるので、後続者に精神的プ レッシャーがなくて助かる。今後見習いたいと思った。
1300m地点以降は、頂上直下まで岩場の連続である。鎖やロープは基本はない。細ロープが二カ所くらい、なんでこんなところに!みたいな箇所にあった が、やっぱりロープを使うと楽である。でも、ロープを使ったら練習にならないよなあと反省。結構しっかりした岩場で、45-80度くらいの急傾斜が続く。 アイゼンで岩の上に立つのは難しい。あらためて、フラットフッティングの難しさを知った。また、前爪2本で立たなければ行けないようなところもあり、それ は不安定すぎてできなかった。
天気がよくて暖かい日だったが、一部凍っているところもあり、雪・岩・氷のミックスを楽しむことができた。
アイゼンに慣れてくると、夏からポチポチ始めたクライミングの成果もあったのか(?)、楽しく楽しく登ることができた。調子づいたところで、いきなり 「じゃあいったん下ってみよう」と指令が出た。「下るの!?こんな垂直なとこ、下るの!?」と今登ったところを下るという哀しい作業ではあったが、見かけ ほどあんまり難しくなかった。
また、トレーニングのため、「えっ、ここって登らなくて巻くべきですよね!トラバースの踏み跡もありますよ!」と言いたくなるような巨岩も、「だいじょー ぶ、だいじょーぶ」と這いながら登らされ、両側が切り立った部分もがつがつ登ったので、度胸がついてきた。
でも本当に危険なところでは、ホールドの指示や、フォールを受け止める準備(?)もしてくれ、安心して登れた。
トレーニングも佳境を迎え、もうすぐ頂上だ。尾根を直登していたが、頂上直下はトラバースや別のピークを二つほど超えたりで、覚えたばかりのコンパスでの 読図でなんとか切り抜ける。(ついていっただけ感はかなりあるが)

12:10くらい

山頂到着。すでに二組、男性の単独行のかたがいた。そのうちの1名と山トークに花が咲きまくり、長時 間お引き止めしてしまった。現在フリーの方だが、さわやかで、登った山やコースなど聞くとただ者じゃない感じだ。山友会の名前を教えたら、メモしてくだ さったので、HPをみて興味を持ってくれるといいなと思う。
ポケットに入れておいたおにぎりは凍っていなかった。ザックにいれていても凍らなかったかもしれないくらい、暖かく、無風の日であった。山頂でまさか風が ないとは思わなかったので、ラーメンを煮たり、コーヒーや紅茶を飲んだり、お菓子を食べたり、「ピクニック・・・?」みたいな感じだった。まさか雪山の屋 外でラーメンが煮れると思わなかったので、「私も持ってくりゃよかったよ・・」と嘆いた。

13:30

ぽかぽか陽気の中山頂での眺望を惜しみつつ、下山開始。樹林帯のため東側斜面だがよく凍っている。 凍っていること以外に難所は一つもなく、おしゃべりしながらゆっくり下山。途中、沢にぶちあたり、沢を何度も左右に横断しながら踏み跡を追う。
文句があるとすれば、4人は早々にアイゼンを外したのに、私一人だけ「アイゼントレーニングだよ(^^)」と言われ、藤沢までアイゼンを強制装着だったこ とだ。アイゼンをつけての歩行は巨○の星の「なんとかギプス」のように、ふくらはぎに来る。でも、この特訓のおかげで雪のない部分でのアイゼン歩行に抵抗 がなくなった。歩き方にまだ改善点はいっぱいあるらしいが、アイゼンで岩の上に立つ恐怖の克服やバランスの取り方などたくさん勉強できた。

15:49

下山口到着。案外車通りが多い。

林道を歩いていたら、知らないおばちゃんにだるそうに「こんにちはー」と超小声で言われたが、私以外 の全員には聞こえていないようだった。自分たちに言われたのだと気づき、あわててこちらも小声で返したが、下山して人から挨拶を受けるとは甚だ珍しいこと だ。しかもとにかく大儀そうに言うもんだから、疑問に思った。
しかしその謎はすぐ解けた。林道の入り口に、「挨拶の道」という謎の立て札があり、「この道は挨拶の道。すれ違う人に挨拶をするよう申し渡す」と書いてあ る。ガビーン!命令かい!って思いつつ、あのおばちゃんは木札の命令を忠実に遂行していたんだなあと納得する。郷に入っては郷に従えと、次回から徹底しよ うと思う(覚えてたらね)。

16:20

初狩駅到着。電車は五分前に出たらしい。次の電車までだらだらしながら30分以上まつ。ちなみに、こ の駅は有人。駅前にコンビニがあるので、笹子より栄えている感じがする。時間も遅いので、日本酒の試飲は次回に持ち越し。
高尾まで一緒に電車に乗り、全員帰途についた。

考察/まとめ

今回はアイゼン度120%の山行だった。南稜の岩場は難路だと言われていたが、ちょっと岩場経験のあ る人なら問題ないと思ったが、アイゼンをつけると難度が急上昇する。樹林帯の割に高度感があるので、緊張感を持った良い練習になった。
アイゼンは慣れると体の一部のようになるらしい。現状ではそうなれるのはまだ先のような気がするが、地道に練習したい。
つくるさんがメガネをかけて生まれてきて、ななこさんが口から生まれた(失礼)と言われるように、「すずともはアイゼンをはいて生まれてきたんだよ」と誰 かに言ってもらえる日まで努力したい。まちがっても、「あの子はモンゴル帽をかぶって生まれてきたんだよ」とは言われないように・・・! 
、、、、、、、記録:すずとも

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