権現岳(八ヶ岳)
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年の瀬も押し詰まった頃、ななこさんから権現岳山行のお
誘いが、雪山をやってみたくて入った山岳会。さっそくのチャンス到来です。とはいえ、初めての厳冬期の八ヶ岳、期待と不安が入り混じりながらも、楽しく充
実した山行となりました。 |
12月30日 この日は宿泊予定地の甲斐大泉駅近くのペンション「ロッジ山旅」までの移動日。中央線の事故の影響の為大幅にダイヤが乱れ、甲斐大泉駅のある小海線へ乗り 換え駅である小淵沢駅に着いたのが予定時刻の14分後、たぶん乗り換え待っててくれるよと言っていたのですが、無情にも数分前に電車は出ており次の電車は 70分後。同じように困ったお客さんもちらほら。JRの連絡網はいったいどうなってるのか。次の日の朝が早いわれわれは少しでも宿に早く入りたいところ。 ロッジに電話して事情を説明したところ、オーナーさんが小淵沢駅まで迎えにきて下さることになりとても助かりました。このロッジは名前の通り、登山者には とても良いベースキャンプになる宿。お風呂付き、登山口までの車での送りあり、おすすめです。この日は部屋でアイゼンなどの道具のチェック、ピッケルの使 い方、耐風姿勢の取り方など一時間程勉強会。そのあと暖かい食事、風呂で快適に過ごし就寝しました。 |
12月31日 朝5時10分にロッジの車で宿出発、5時30分「天女山入り口ゲート」からヘッドライトを付けて出発。途中、朝日に照らされる富士山の雄大な姿も見ること ができました。 |
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その後は樹林帯の中を少しづつ高度を稼いで行きます。新 雪で柔らかい雪のため、少々歩きにくいもののトレースはしっかりついており、迷うことはありません。 |
「前三ツ頭」手前の急登 |
「前三ツ頭」の急登の前でアイゼンをつけました。ここ
からが本当の登山と言う感じです。山の方をみると頂上はガスっており、編笠山も見えません、ななこリーダーから「風が強いようであれば今日は頂上まで行か
ない。冬山は三回に一回登れれば良い方。登れない方が多いのだから、無理はしない」とのこと。 |
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「前三ツ頭」 |
「前三ツ頭」では、風が強いものの引き返すほどではな
く、写真を撮り、とりあえず「三ツ頭」までは行くことに。「三ツ頭」の手前の樹林帯で最後の準備、目出し帽をかぶり、稜線の寒さに備えます。 |
「前三ツ頭」から権現岳方向をみる | 「三ツ頭」 |
「三
ツ頭」では、いくつかのパーティーが権現方面から戻ってきており、状況を聞くと「風が強いのであきらめて帰ってきた。トレースも消えている」とのこと。と
りあえず行けるところまで行って引き返そうということになり、権現岳に向かってさらに足を進めました。稜線は時おり西からの強風が吹きつける厳しい状況、
前日教えてもらった耐風姿勢で風をやり過ごしながら少しづつ歩みを進めます。 |
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リー
ダー曰く、この時期の風はこれぐらい普通だとのこと。冬山はやはり厳しい。ここでサングラスが曇るので目出し帽から鼻を出したままにしていたら、「鼻が白
くなってるよ、凍傷になるよ」とリーダーから注意が。風も相変わらず強く、ここで撤退かと覚悟したその時、なんと急に風が止み太陽の光が射してくる。これ
はひょっとしたら行けるかも...。 |
トラバースへ |
トレースがほとんど消えている中、先頭の的確なルートファインディングのおかげで、確実に頂上に近づいていく、難所の トラバースも問題なく越え、ほどなく山頂へ。なんと結局権現岳まで行けてしまいました。今日は撤退だと思っていただけに喜びもひとしおです。 |
権現岳頂上 |
皆 で記念撮影をした後、自分たちでつけたトレースをたどって素早く下山しました。トラバースを抜けたところでは、なんとカモシカと遭遇。このカモシカは先行 しては我々が付いてきているのを確認するかのように振り返り、まるで道案内をしているかのよう。そしてある程度下ったところで、どこかに走り去って行きま した。 |
この後の下りはひたすら長く感じましたが、時間に余裕が あったので途中、滑落停止の練習などもしながらゆっくりと下山。 |
天ノ河原から本来のルートを外れて予定の登山口とは別の 所に降りるというハプニングがついたものの、全員で無事に下山することできました。下山後はパノラマの湯に寄り、食事をして帰宅。疲れたけれどとても充実 した2013年の締めにふさわしい山行となりました。 |
天の河原から直接「八ヶ岳高原ライン」へ下る |
すばるM45山の会 . |