北岳(南アルプス)

日 程: 2013 年 8月7-9日
山域: 北岳 (南アルプス)
形式: テント泊 縦 走
メ ンバー: カッキー
記録: カッキー
行程: 前 夜泊(8/7):13:00 甲府駅南口バスターミナル山梨交通バス広河原行乗車〜15:00広河原着~広河原山荘テント設営
1日目(8/8):6:02 広河原出〜6:25 白根御池小屋分岐〜8:32 大樺沢二俣(休憩)8:39〜右俣コース〜11:13 小太郎尾根分岐(休憩)11:20〜11:52 北岳肩の小屋着、テント設営
2日目(8/9):5:39 北岳肩の小屋発〜6:19 北岳山頂 7:00〜7:39 北岳肩の小屋〜テント撤収〜8:55 北岳肩の小屋出〜9:15 小太郎尾根分岐 9:27〜草スベリコース〜10:56 白根御池小屋(休憩)11:16〜12:59 白根御池小屋分岐〜13:21 広河原山荘着〜14:10 広河原発甲府駅行バス乗車〜16:10 甲府駅着



毎年夏休みのテント山行、一昨年の奥穂高、昨年の立山と きて、今年はどこに行くか、何週間も前から槍ヶ岳か北岳か、直前までさんざん迷ったあげく、初めての南アルプスということで北岳に決定。広河原での前夜泊 を含めて2泊3日の余裕のある日程。
 
前夜泊
お昼12時半過ぎにJR甲府駅前バス停に到着。この日広河原行最後の便となる13時発のバスですが、すでに年配の登山者が3人ほど並んでいます。この後、 関西の学生山岳サークルらしい団体などが大勢やってきて、バスは超満員となり、学生たちは車内で立っています。広河原まで2時間の乗車、早めに来てゆっく り座れてよかった。このバスは、切符を買わずに乗車、途中で車掌さんが回ってきて運賃を払う仕組み。広河原まで1900円プラス「利用者協力金」100円 で計2000円。学生サークルはかなり若く見える男女の集まりで、バスの中でもにぎやか。話を聞いていると、一昨日までは奥穂に登っていたとか、今日はこ れから鳳凰三山縦走とか。夏合宿らしい。鳳凰三山組は、途中の夜叉神峠登山口で降りて、バス内はようやく静かに。この先、バスはさらに奥深い道を登ってい きます。万一転落すると数百mは転げ落ちそうなかなり狭い崖っぷちの道を、運転手が巧みなハンドルさばきで登っていくけど、結構怖い。これが路線バス (6/25~11/9運行)というからすごいです。ようやく広河原バスターミナルに到着。ここからちょっと歩いてつり橋を渡ったところが広河原山荘。さっ そくテント場の申し込みをして、テント設営。先客はわずか3張り。テント場はいくらでも空いており、河原側の木のベンチの横に設営。
バスターミナルまで戻ってインフォメーションセンターへ。ここで登山情報を確認&登山届の提出。テント場に戻って夕食の準備。水は、山荘横の蛇口 から自由に使えます。まさに南アルプス天然水でお湯を沸かして、この日の夕食は、梅わかめごはん、とん汁、アップルパイ、食後の紅茶はオレンジペコ。夕食 後、河原に下りたり、周辺を散歩したりして時間を潰す。結局この日のテントは全部で10張くらい。静かな夜で、8時頃には就寝。

1-1.jpg 1-2.jpg 1-3.jpg
川側にテント設営!
広河原山荘横の水場
広河原インフォメーションセンター

1-4.jpg 1-5.jpg 1-6.jpg
広河原から見る北岳。明日はここへ
広河原山荘のテント場
河原側右から2番目がマイ・テント

夕飯の支度中


1日目
朝4時ごろ起床、お湯を沸かして食事を作り、しっかり食べて、トイレをすませてテント撤収。快晴で6時に広河原山荘横の登山口を出発。白根御池小屋分岐を 左に入り、まずは二俣を目指します。平日のためか登山者はそんなに多くありません。何人かに追い越されましたが、マイペースで沢沿いの道を登って大樺沢二 俣到着。ここまでちょうどコースタイム通り。二俣には休憩中の登山者が20名ほど。ガイド付きのツアーの下山組がいたようです。ここにはバイオトイレがあ りますが、利用せず右俣コースへ。ここからお花畑コースで、草花の写真を撮りながらゆっくり登ります。あいにくこのころから北岳山頂方向はガスがかかって きました。約2時間半登り続け、白根御池山荘からの合流地点を過ぎて、ようやく小太郎尾根分岐までたどり着いた時、目の前の視界が開け、甲斐駒ヶ岳と仙 丈ヶ岳が飛び込んできました。この瞬間、かなり感動しました。ここまで登ってきただけでも充実感です。小太郎尾根分岐でしばらく写真を撮った後、肩の小屋 を目指し岩場の尾根を歩くこと約30分、正午前には肩の小屋に到着しました。

2-1.jpg
2-2.jpg 2-3.jpg
広河原山荘の登山口
二俣・白根御池小屋分岐点を左へ
二俣に向かう灌木帯の道

2-4.jpg
2-5.jpg 2-6.jpg
二俣の少し手前、北岳が顔を出す
二俣分岐
右俣コース左手に残る雪渓

2-7.jpg 2-8.jpg 2-9.jpg
右俣コースのお花畑にて
同じく右俣コースのお花畑で
右俣コースのダケカンバ帯

2-10.jpg 2-11.jpg 2-12.jpg
小太郎尾根分岐にて
小太郎尾根登り、肩の小屋まであと少し
小太郎尾根分岐方向を振り返る

さっそくテント場の申し込み。聞くと、ヘリコプターが建築資材を運んでくるの で、小屋近辺のテント場は使えないとのこと。小屋から少し下ったところのテント場で、ハイマツの横にちょっとした窪みが空いていたのでテント設置。この時 点でまだ12時台で、北岳山頂まで往復する時間は十分にあったものの、山頂方向はすっかりガスに覆われ展望が利きそうにないので、この日の山頂行きをあき らめ、ゆっくりテントで休むことにします。ところが、なんとヘリが10分に1回、建築資材を運んできては荷降ろすということを繰り返すので、ものすごい騒 音で落ち着いて休憩できません。しかも、ヘリが飛んでくるたびにテント場と小屋の間の登山道から退避するよう指示があり、下から登ってくる登山者がそのた びに足止めを食らっていました。資材運搬は夕方4時くらいまで続いたでしょうか?小屋を増設するのかトイレを作ろうとしているのかわかりませんが、このヘ リには閉口しました。4時ごろから夕食の支度。肩の小屋の水は天水のため貴重品、1L100円、トイレも1回100円だったと思います。この日の夕食はフ リーズドライのイタリアンリゾットがメイン。夕食後、テントの中にいると、外で男女の高校生のサークルの声がにぎやかで出てみると、仙丈ヶ岳の左に沈む夕 陽をバックに写真を撮っているのでした。夕陽に照らされた不思議な形の雲がきれいで、私も写真を撮ります。この日のテント場は高校生のサークルや家族連 れ、ソロなど全部で30張ほど。明日晴れることを祈って8時には就寝しましたが、この後一晩中、断続的にかなりの強風が吹いてなかなか眠れません。これ が、3000mのアルプスの稜線にテントを張るということかと思い知らされます。幸いハイマツを風除けにテントを設置したので、怖いというほどではありま せんでした。

2-13.jpg 2-14.jpg 2-15.jpg
北岳肩の小屋に到着、
北岳山頂方向はガスの中

建築資材を運んできたヘリ
肩の小屋のテント場

2-16.jpg 2-17.jpg 2-18.jpg
ハイマツを風除けにテント設営
肩の小屋から望む甲斐駒ヶ岳
仙丈ヶ岳と夕陽


2日目
この日も朝4時ごろ起床するも、一晩中断続的に吹いた強風はまだ続き、しかも北岳山頂方向は相変わらずガスっています。こんな中でも、ヘッドランプを灯し て山頂に向けて登り始めている登山者が数人いました。自分はしばらく様子を見ることにして、朝食を作り始めます。強風でテントの外で火がつかないので、テ ントの中でお湯を沸かし、食事をしているといつの間にか強風がやんでおり、ふと外を見ると山頂方向のガスがすっかりなくなっているではないですか。これは いけない、出遅れたと思って食べかけの食事をそのままにして、あわてて身支度をして出発します。北岳肩の小屋の脇から登り始めたのが、5時39分。昨日の 昼間はTシャツ1枚でも過ごせるくらいだった北岳肩の小屋周辺でしたが、さすがにこの時間はまだ気温が低く、耳を冷たくしながら岩場を登ります。一昨日の 夜、広河原のテント場で近くにテントを張っていた男3人女1人の若者のグループと前後しながら登っていくこと40分、ついに6時19分、北岳山頂に登頂し ました。山頂は結構広く、20人ほどの登山者でにぎわっています。日本で2番目に高い山は360度の眺望で、鳳凰三山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、そして山頂 の下に見える北岳山荘から間ノ岳へと延びる稜線が素晴らしい。はるか南東には富士山が山頂だけ顔を出しています。向こうが600mほど高いだけのはずです が、こちらよりもずいぶん高く感じます。感激でいっぱいで、周りの写真を撮ったりしながら約40分山頂で過ごした後、北岳肩の小屋まで下りました。この途 中にもいろいろな高山植物があり、きれいな花が咲いています。テント場までたどり着き、朝食の残りを食べテント撤収。この間、昨日昼間うるさかったヘリコ プターの資材運びが始まっており、10分に1回、ヘリコプターがやってきて落ち着きません。

3-1.jpg 3-2.jpg 3-3.jpg
5時35分、すっかりガスの切れた
北岳山頂方向

肩の小屋から登り始める登山者の列、
写真のピークは山頂ではありません

振り返って肩の小屋を見下ろす

3-4.jpg 3-5.jpg 3-6.jpg
両俣分岐点、ここから山頂まで20分
山頂まであと少し
右手奥に見えてきた山頂

3-7.jpg 3-8.jpg 3-9.jpg
前を行く、2日前の広河原から
いっしょのテント泊若者4人組

6時19分ついに北岳山頂に立つ
北岳山荘から間ノ岳へとのびる稜線

3-10.jpg 3-11.jpg
間ノ岳山頂
登山者でにぎわう北岳山頂


3-12.jpg 3-13.jpg 3-14.jpg
肩の小屋までの下山道にて(1) 肩の小屋までの下山道にて(2) 肩の小屋までの下山道にて(3)

8時55分、北岳肩の小屋のテント場を後にし、広河原に向け下 山を始めました。小太郎尾根分岐まで昨日と同じルート。小太郎尾根分岐のちょっと下から、二俣方向と白根御池小屋方向に分かれます。この分岐点で白根御池 小屋方向に進路を変え、草スベリコースを下りていきます。ここはかなりの急斜面です。この日も大変に暑く、草スベリコースを登ってくる人たちはみなかなり 苦しそう。「あー、しんどい」と言って座り込んでしまっている女の人もいました。やがて白根御池とその周辺に張られているテントが見えてきてようやく白根 御池小屋に到着。小太郎尾根分岐からちょうど90分、ここまでコースタイム通り。白根御池小屋周辺は若者のグループでにぎわっていました。ソフトクリーム がおいしそうでしたが食べず、水だけ補給。この小屋の水は豊富なうえ、とにかくおいしい水で、思わずがぶがぶ飲んでしまうほどでした。

3-15.jpg 3-16.jpg 3-17.jpg
下りの小太郎尾根分岐から
仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳に別れを告げる
白根御池小屋方向への分岐点、
ここから草スベリコースへ
草スベリコースの樹林帯

3-18.jpg 3-19.jpg 3-20.jpg
同じく草スベリコースにて 下に見えてきた白根御池のテント場 白根御池小屋手前にて

3-21.jpg 3-22.jpg 3-23.jpg
白根御池小屋手前、二俣方向への分岐 白根御池小屋に到着、アイスがおいしそう 大勢の登山者でにぎわう白根御池小屋

休憩後、広河原に向 けて出発。ここからしばらくは、地図上はほぼ等高線にそった道ですが、実際には細かなアップダウンがあり、結構疲れます。やがて道はひたすら下りになり、 広河原までうんざりするような道が続きます。この日も、ガイド付きのツアーの団体に何組か会い、登り方の指導をしているのを見かけました。白根御池小屋か ら約2時間、ようやく広河原山荘まで下山。小屋でジュースを買って一気飲み。しばらく休んでから広河原インフォメーションセンターで甲府駅行のバスチケッ トを購入しました。バス停に荷物を置き、14時10分の出発まで、インフォメーションセンターで買ったアイスキャンディーをかじります。甲府駅まで2時間 のバスはゆっくり座って帰ることができました。このあと甲府駅から新宿駅までの特急あずさがなんと超満員で1時間30分立ちっぱなしでつらかったのです が。

3-24.jpg 3-25.jpg3-26.jpg
広河原に向かって樹林帯をひたすら下る ようやく広河原山荘まで下山、
熱気で曇ってしまったレンズ
広河原インフォメーションセンター前の
甲府駅行直通バス乗り場

こうして、初の南アルプス、北岳のテント泊山行は無事終了しました。北岳は本当にいい山です。また来たいと思いつつ、北岳から見た甲斐駒ヶ岳が超カッコよ かったので、近いうちぜひ甲斐駒ヶ岳にも登りたいと思っています。また、今回は初の南アルプス、北岳ということもあり、比較的楽なコースとスケジュールを 組みました。様子がだいぶわかり、自分の体力も知ることができたので、来年こそは白峰三山縦走にチャレンジするぞと固く決心しました。

chronicle
return
すばるM45山の会
.
subaru M45 alpine club
inserted by FC2 system