摺針峠-笹子峠-笹子雁ヶ腹摺山北尾根(大菩薩)
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笹子雁ヶ腹摺山北尾根を下山してから道の駅までの林道
は、崖崩れのため非常に危険な状態でした。 十分にご注意ください。 |
ダッ ク隊長を置き去りにしてきたことが、ずっと気になってしょうがなかった。やっぱり救出に行かなければと決心した。後輩の坂元君も同行してくれるとのこと。 彼とはあの夏の虫大発生した山行以来だ。今日もささご駅は大勢の人が下車したが、山中では誰とも会わなかった。薄曇りの天気の中新田集落へ向かう。「実 は、本日の山行は目的があるんです。大事な忘れ物を回収しに行くの。」と坂元君に伝えると、「ひょっとして黄色いアヒルですか?」「ななんで解るの?ねえ どうして?」「最近の記録でアヒルの写真が登場してるので、もしかしてと。」彼が言った。なんてすばらしい勘をしているのだろうか・・・その後、事の経緯 で話が盛り上がる。 |
という訳で直接針峠へ向かうルートをチョイス。先週間違
えて入った尾根だったので、この辺りの様子は理解していた。沢筋左に見て続く林道を上がって行くと、終点の空き地に車3台止まっている。ひとつ向こうの尾
根からチェーンソウーの音がしてくるので山作業のであろう。 私たちは、左側の尾根に登るので入りやすい取り付き場所を捜してると、杉の木に「摺針峠へ」小さな札を発見。なんだ道が付いて いた。しばらく杉林の中を歩き、途中から明るい雑木林へと変わる。2、3カ所崩壊していたが問題はない。 |
まもなくしてコルが見え摺針峠の道標が真正面に。そして
ダック隊長が口を開けてこっちを向いていた!!嬉しくて思わず抱きついてしまった。一週間の間じっと待っていたんだぞ〜と言いたげの顔をしている。何はと
もあれ、本日のミッションは成し遂げられホッとした。 |
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休
憩後、ダック隊長をザックの中に入れて笹子峠へと稜線を北へ行く。一週間で紅葉も進んでいる様子。中尾根ノ頭を過ぎると笹林が現れる。笹子の地名の由来か
な。この辺りは登山道になっているので道はしっかりしているけど、あんまり歩かれてる感じがしなかった。ま新しい熊らしき糞が登山道のど真ん中に3カ所発
見。「だんだん熊のお腹の調子が回復してるみたいですね」と坂元君が感心してるので、3人で笑う。 |
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一気に約200m下る。底まで下りると笹子峠の道標が現
れた。甲斐大和駅と笹子駅方面の分岐になっている。休憩後今度は、一気にトラロープと木の根を掴んで這い上がっていく。 |
登山道は、右に尾根を巻くように付いていて快適に進んで 行くと単独の男性と2人組の2パーティにすれつがった。鉄塔を過ぎ、笹子雁ヶ腹摺山 山頂直下の急登を登りきって到着。富士山の8合目あたりまで雪が積もっている。先週は雪付いていなかったはず。坂元君しきりに写真撮影中。フルマラソンラ ンナーの彼が唯一登った山が富士山とのこと。2段の傘雲が美しい。甲府盆地に薄い雲海が出ていた。お昼過ぎまであるのは珍しくない? |
頂
上の南側のベンチで大休憩後山頂北側へ下って甲斐大和への尾根をさがす。ほどなくらしき尾根発見。標柱が立っていたのでここを下っていく。雑木林がとても
美しい。快適に進んで行くと、とてつもなく大きな鉄塔が現れた。こんなに大きいのは初めてかも。てっぺんの工事は高度感なんてもんじゃなかったのでは?圧
倒されて写真をつい撮りまくる。西側にお坊山、その先には滝子山が色づいている。 |
ミズナラの落ち葉から紅葉の赤色に変わってきたころ、山
神の碑が現れる。その後だんだん急な下り坂となっていくが、階段状に整備してあるので歩きやすい。広かった尾根がどんどん細くなり最後にもの凄い下りに
なったが、ワイヤーがはってあったのでなんとか助かった。そしてりっぱな林道へ飛び出る。 |
崩れている崖を右に眺めながら進んで橋を渡る。大工事の
途中らしい。スーパーハウスが2つもあった。笹子トンネルの空気孔なのか、ゴオーとひっきりなしに大きな音がうるさい。左に深い沢を真下に見ながらカーブ
の道を快適に進んでいくと、ななんと大崩落が林道をふさいでいた。2mはありそうな大石がごろごろと道に積み上がっている。左の崖下には、ガードレールが
付いた道が見えるが、ロープ無しでは下りれそうにない。崩落の向こうには林道が続いているようで、この10mくらいの箇所だけの様子。なんだか今さっき崩
れた様子に見える。ああ〜前回の山行と同様、最後の最後に核心が待っていた。恐る恐るつくもが崩落箇所を偵察に行く。が行くしかないので、後に続く。坂元
君に小石を落とさないように踏跡をゆっくり来てね。と伝える。足下に細心の注意を払ってそろそろ越えて、私の左手を置いた岩がグラッ動いたのでびくっとし
た時、「岩が岩が動きましたよお〜」と坂元君がささやくような声で言った。「わかってる、わかってる」そおーと手を放して一歩足を下ろす。そしてまた足を
一歩下ろす。すると目の前が開けて道が見えた。なんとか3人無事に通過できた。 |
息を殺していたのか、反対側へたどり着いたら大きな雄叫
びをあげてしまった。3人で成功を喜びながら道の駅へとつい早歩きとなった。そしてお気に入りの温泉へは、バスの時間が合わないので、タクシーで向かっ
た。とても混んでいたのは残念だったが、今回はダック隊長も無事に救出できたし、ゲスト参加してくれた坂元君も楽しんでもらったようなので良かった良かっ
たの山行となった。 |
すばるM45山の会 . |