北横岳(北八ヶ岳)

日 程 2013 年 4月7-8日
山域 北八ヶ岳
形式 雪山
メ ンバー サク
行程
(日)7日 12:07ロープウェイ山頂駅着〜坪庭〜
     13:30ヒュッテ着・ご挨拶
      〜横岳(北峯)14:00〜ヒュッテ着

(月)8日 6:40ヒュッテ発〜再度山頂へ(また速攻で退却)〜ヒュッテ
     7:45ヒュッテ出発〜山頂駅8:20〜9:15下山
     11:25発路線バスで茅野駅へ(それまでゆっくりまったり)
     12:35 日帰り温泉「アクアランド茅野」@400円
     14:28発 茅野バス停から高速バスにて新宿へ


横岳への山行は、かなり前から計画していた。
当初は2月上旬だったのが、3度変更を余儀なくされ、やっと7日を迎えることに
なったはずだった。

「爆弾低気圧が来る!」というステキなニュースを聴くまでは。

会に山行計画書をアナウンスすると、山行管理から2、3のアドバイスを受け取る。
他のメンバーからも「爆弾低気圧並みの低気圧が日本に上陸しそうだよ。気を付けて。」と。

前回、疲労困憊で打ちのめされた白毛門とは大違い。
相手は横岳。2400m。

そんなビッグな低気圧さんが来たら、山頂はどんなことになってるんだろうか?
それ以前に、坪庭までの北八ヶ岳ロープウェイは営業しているのか?

5,6とヒュッテのご主人と頻繁に連絡を取る。とにかく現場に聞かないと。
「そうは言っても、来てみないと分かんないよな〜」仰る通り。

6日の昼間にお電話をし、「夕方の6時までには行くかキャンセルするか決断してご連絡します。もちろんキャンセル料はお支払いします。」

 そうだ、何事もやってみなきゃ分からない。行ってみなければなにも分からない。
とりあえず行くべし。ダメなら潔く撤退。
ほんとうは、春休みに中2の息子と2人で行く予定ではあったけど、今回は単独で行くことに決めた。


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7日
 ということで、新宿7:20発岡谷行きのバスに乗り込む。
茅野バス停で降りて、茅野駅まで徒歩18分。
そこからロープウェイ駅まで路線バスに乗り換える。片道1時間。
茅野市街は快晴。風もほとんどなかった。行けるやんけ〜。
お客はお一人様。

麓の駅に着き、腹が減ったので、カレーを食す。
食しているあいだにいつの間にか雨が降りだし、再度窓際を見るとみぞれに。
おお、ご機嫌じゃ〜。
12時ちょうどのロープウェイに乗るべく、切符売り場へ行く。

窓口のおばちゃんが、「本当に今から行くの?すごい風よ。今日はどうすんの?
夕方は帰りのロープウェイは4時よ。絶対に戻るのよ。明日はもう運休だからね。」と
半分心配顔。半分不審者を見るような顔つき。美形なのに。
確かに「今日の風速:17m」って書いてある。スゲー。

「大丈夫ですよ。キチンとヒュッテのご主人と何度も連絡取ってますし、明日から
運休は百も承知。帰りは雪山下っていきます」と。

ロープウェイに乗ると、これまたお一人様。ご機嫌です。
足で登るなら2時間半。ロープウェイは7分間。すごいよな。
もう一気に標高2,240m。

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ロープウェイを降りて、スパッツだけとりあえず付けて、様子見てアイゼ ン付けることにして
いざ出発。その前に有名なキツツキさんを撮影。

しばらくはツボ足で平気だったけど、段々アイスバーンの上に飾りだけの雪状態に。
ということで、アイゼン装着。うん、やっぱり歩きやすい。

前回の白毛門での苦闘が確かに役立っている。
「バカの大股、アホの小股」と口ずさみながら歩く。登る。

そう考えると、日程的に先週、白毛門でいろいろ体験し今回、横岳で実践することは、大正解。
6本軽アイゼンでも大丈夫そうだったが、12本爪の方が安心感が違う。

ヒュッテまでの道で下山者お一人と会う。
「てっぺんはスゴイ風ですよ〜!ずっと立ってらんないから、すぐに引き返してきました。
お気を付けて!」ありがたい情報です。感謝。

じゃあ行ってみるべ。とにかく。
ヒュッテ到着し、ご主人にご挨拶とお詫び。ザックを預けて、いざ山頂へ。
ちなみに北横岳ヒュッテのご主人、島立健二さん。
決しておしゃべりじゃないが、一つ一つ言葉を選びながらお話をされる方で、
もっと話していたい、話を聞いてみたいと思える方です。そして趣味が写真。
八ヶ岳の四季折々の写真がアルバムに上手に整理されていて、見ていて全く飽きませんでした。

初めの2ヶ所ぐらいがきつかったぐらいで、たいした上りではなかったので、良かった。
いくら事前に断面図作って(カシミール)なるほどね、この辺りねって頭には入っているけど、
キツイもんはきつい。

そしてとうとう横岳(北嶺)山頂へ到着。
それまでは山林の道だったので、少し舐めてた。山頂は吹きっさらし。
グレイトな突風。 山頂の道標も真っ白。

確かにすごかった。「はい、こちら山頂です。」と誰もいないのに大声で言って、
すぐに引き返す。

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ヒュッテの中には薪ストーブがあり、決して温かくまではいかないが、身 体がほぐれいくのを感じた。
ご主人にお詫びの印に、昨晩慌てて「西友」でお気に入りの焼酎一本とおつまみ数点を購入し、
持参したので、お渡し。喜んでくださった。

部屋もお一人様で使わせてくれて、布団をさっさとひき、しばらく読書をしていたが、
いつの間にか爆睡。ご主人に笑われた。「よく寝てるから、起こさなかったよ。
部屋は8畳ほど。暖を取るのは、小さな石油ストーブのみ。
文句は言えない。ご主人がボッカで積み上げて来た、大切で貴重な資源。

5時半に夕飯。長きに待ちに待った「お鍋」。やっぱりお鍋でした。塩ベースのシンプルな
お鍋だけど、豚肉、海老、ホタテ、野菜タップリ。いい出汁が出ていて満足。

この夕飯の時に、一つハプニング。当初、今日のお泊まりさんは、オイラお一人様だったはず。
で、薪ストーブの前にお一人ジーンズ&ライダースという格好の若いお兄さんがいる。。。
あれ?ご主人の息子さん?

そうじゃなかった。立派な登山客だった。それにしても軽装でよくもまあ来たもんだ。
さすがにご主人に「山を舐めるな!」と一喝されたらしい。
オイラの2本次のロープウェイで上がってきて、そいつで運休になったらしい。

異次元の世界の方を前に、初めはどう接したらいいのかサッパリ分からなかったが、自分から
少しずつ話をしだしてくれて、名古屋在住、去年の夏に亡くなった親友とここを訪れ、なんとなく来た、と。

なんとなくで冬山かよ。格好いいとは言えないよな〜。
ヒュッテを通り過ぎて、山頂まで行ってみたものの、同じように強風ですぐに引き返し、
宿に声を掛けたんだって。

食事中にご主人が顔を出してきて、「たまーーーーに、こういう人いるんだよ。そして遭難する。
まいっちゃうよな〜」と言いつつ顔は笑顔。優しい人だ。
「もしこの人(オイラ)がいなかったら、この小屋、閉まってたんだぞ。気を付けろよ。」と
優しさからの一言が加えられていた。

※個人的には、このお兄ちゃんのお蔭で宿泊料2千円バック。

鍋のフィニッシュはうどんで決まり。ポテトサラダ、抜群の山芋ソテー。
とにかくおいしゅうございました。

もしかしたら、ご主人が上納した焼酎様を持ってきて、「一緒にどう?」とか夢想したが、
そいつは残念ながらなかった。でも全然平気。


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8日
翌朝は5時半起床。布団から起き上がると、小便してからすぐに外へ。
凍える寒さ。でも風は昨日よりかなりまし。ちなみに外気温はマイナス13度。
今日もご機嫌です。はい。

圧力釜で炊いた美味しいご飯と鮭、お漬物など、朝からありがたやありがたや。
これまた、たいへんおいしゅうございました。

お兄ちゃんに「一緒に行きますか?」と誘ったけど、先に行ってくれと言いながら、
結局付いてきたが、俺様よりも心肺機能が悪いのかペースがゆっくり。

7時過ぎに再度山頂へ到着。昨日よりかはマシだけど、相変わらずの強風。
南峯まで行く根性は、さすがにありませんでした。
やっと到着したお兄ちゃんに証拠写真を撮ってもらう。完全に作り笑い。
「寒いですよ〜」ってニヤニヤしてた。( ̄∀ ̄)

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兄ちゃんはおいて、そそくさと林間に逃げ込み、ヒュッテへ戻る。
預けていたザックを背負い、ご主人にご挨拶して、「次回は息子の首根っこ掴んで、
来ますので懲りずに宜しくお願いします!」と。「あと、兄ちゃんよろしくお願いします」と。

今日からロープウェイが運休だから、予定通り徒歩で下山。ご主人に迷いやすいポイントを
教えてもらい、いざ出発。(7:45)

 思ったよりも緩斜面だし、キチンとガイドも付いている。
「山と高原地図」を見ると、下山に1時間半と書いてあるが、1時間ちょうどぐらいで
下山することが出来た。これも前回の白毛門の教訓が生かされている。

 ただ、今回の課題は「いつアイゼンを脱ぐか?」というタイミング。
どこまで雪がありますよ、この先はガレ場が続きますよ、という事前情報はないから、
脱ぐタイミングが難しかった。結局少しだけ、脱ぐのが早く一瞬だけ手間取ったけど、
無事に下山。(9:20)

路線バスの時刻を勘違いしていて、2時間ロープウェイの麓駅で待ちぼうけ。
そのお蔭で、当初予定していたバスに乗るには、「The温泉」を諦めるしかない。

それでいいのか!我慢できません、隊長!
よし、じゃあ高速バスを一本遅らせて、温泉に行くぞ!ということで、バス会社に連絡し、
便を変更してもらう。この日も鉄道は30分ほど遅れていた。前日は強風で線路に倒木があり、
3時間ほど立ち往生だったと。今日は強風で遅延。「風速○○m以上は走っちゃダメよ」という
ルールがあるんだって。多くの人の命を運んでるんだから、仕方ないよな〜。タクシーの運ちゃん。

茅野駅ちかくの温泉場(市の3セク)でまったり。アルカリ性のいいお湯でした。
やっぱり山登って下って、温泉って最高ですわ〜。

変更したバスに乗り込み、無事新宿へ。電車は災難だったけど、バスは快適だった。

 山行計画立てるときは、下山後に温泉というコースに限る。
そういうスキルも磨かねば。

今年雪山初デビューの人間が、単独でなんとか怪我もなく、遭難もせずに帰ってこれたのは、
先日の先輩方の厳しい愛のムチのお陰です。

オイラをウェルカムしてくれた「すばる」は本当に温かい方ばかり。
しかもオールマイティに遊んでやろう、とことん遊んでやろう、楽しもう!って方ばかりだから、
吸収できるものは、貪欲に吸収したい。下手な「食わず嫌い」もしたくないから、与えられた
チャンスは出来る限り参加させて頂く。
 いつか、それが血となり肉となり、今まで以上に山が恋しくなるんだろうな。

 せっかくの雪山。あともう一回行きたいぞ〜!!!!ってか行きます♪

※今回の反省2:携帯の予備バッテリーを忘れました。玄関に置いておいたのに。。。

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