白毛門 1720m(谷川)

日 程: 2014年12月28日(日)〜29日(月)
山域: 白毛門 (谷川)
形式: 冬山登山 雪 上訓練
メ ンバー: ななこ(CL) つくも ゴロー ガンジー
記録: ガンジー
集合:
12/28(日)JR新宿駅西口改札14:45 
行程: 28 日(日):水上駅18:32下車〜ペンション レインボー(水上)泊
29日(月):レインボー発6:00<送迎車移動>〜白毛門登山口(土合橋)6:30〜松ノ木沢ノ頭1484m10:10〜白毛門目前1560m12: 00〜下山開始(途中、雪上訓練/三点支持、滑落停止訓練実施)〜白毛門登山口着15:20


今回の山行は、ガンジー初体験の白毛門雪山登山です!
「すばるM45山の会」入会後、山行通算22回目にして、“白毛門”雪山デビュー戦です。
生まれも育ちも鹿児島で、雪といえば年に1回2cm積もると大騒ぎの経験しかないガンジーが、“12本爪アイゼン”“ピッケル”“ゴーグル”“目出し 帽”・・・を初装備しての雪山“ラッセル”初体験です。

<1日目(28日:移動日)>
週間天気予報では「28日(日)と29日(月)は急発達する低気圧の影響で、全国的に荒れた天気となる見込み」の予報。群馬エリアの天気予報も「29日雨 のち曇り」ではありましたが、「山行実施の状況判断は現地でするべき!」(ななこCL経験談)もあり、当初の計画通り移動開始。
ペンション前泊のため、新宿15:19発在来線(青春18きっぷ使用)にて水上駅18:32着。途中高崎駅で弁当購入し、車中で夕食。水上駅にペンション“レインボー”の亘理オーナーに迎えに来て戴く。
「例年になく早目の降雪で、一部亀裂の見られる山肌もありますよ。」との情報も戴く。
ペンション到着後、山屋でもある亘理オーナーとの山談議も楽しんだ後、寝酒のビールを飲みながら、翌日の天気予報(雨のち曇り、気温−2℃、風速 1〜2m)を確認し、行動予定を打合せ後就寝。
<ペンション泊まりなのに、何故かガンジーのザックが重すぎるとの指摘があり、高校時代以来の抜き打ち持ち物検査もあり。コッヘル、着替えのジャージ、ビ ニール袋他不要な持ち物を没収されそうな勢い(笑)>

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白毛門登山口まで送迎してもらう



<2日目(29日)外気温−3℃、曇り>
朝5:00起床。ペンション経営を始めたイキサツをオーナー奥様からお聞きしながら、美味しい朝食(洋食)も戴きつつ身支度を整え、ペンションを6:00出発。(またまたオーナーに白毛門登山口まで送迎戴く)
登山口は薄曇りではありましたが、大雪にもならず、また−3℃と快適な滑り出しです。

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東黒沢にかかる橋を渡る



谷川連峰の案内看板も半分(約1m)埋まった登山口6: 30出発。
川沿いにテント泊された5名程のグループを発見。天気の良かった前日28日に白毛門アタックされたのでしょうか?後日のヤマレコで、28日には3パーティ (単独、2名グループ、5名グループ)がアタックするも、途中下山されたとの情報あり。皆さんの作って戴いたトレースに感謝ですm(__)m
雪で手すりまで埋まる東黒沢にかかる橋を渡り、「松ノ木沢ノ頭」までのほぼ真北の直登登山道を歩きはじめる。
登り口からはじまる樹林帯(ブナの木の自然林)を進むこと30分、積雪の状況から判断し、ガンジー初の12本爪アイゼン装着です。部屋で装着練習しただけ だったので、確実に、素早く装着することを意識しながらの雪道での実装着です。

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ブナの樹林帯
早くもアイゼンを装着する


<雪山歩行ポイント その1>
12本爪アイゼン装着時の歩き方として、両足の間に拳ひとつ分開け、がに股、ゴリラ歩行で、まるでおしめを付けているかのように歩くこと!とのアドバイス に注意しながら初歩行開始。初心者は両足のアイゼンを引っ掛けて、転んでしまうとのことですが、ガンジーの白毛門歩行や如何に・・・・

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谷川岳 一ノ倉沢



車等の雑音が一切ないシーンと静まりかえった雪山登山道 を一歩一歩進んで行きます。
「これだけ静かな場所だったら、仕事の進み具合も計り知れないはず!別荘欲しい!!」と思いながら。
ブナの木の根元は温度が高いらしく、根元が丸く雪解けしている風景が幻想的でもありました。

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東側に武能岳方面

登山口出発後1時間程過ぎると、樹林帯からの見晴らしも 良くなり、西側には“谷川岳”“一ノ倉岳”、東側には“武能岳”が薄っすらながら望めるようになりました。東側の白毛門沢の大滝も水の流れが確認 できる程です。
 
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ふたたびブナの林になる


前日の登山者が作ってくれたトレースを、百人力の“12 本爪アイゼン”の強力支援も戴きながら、高さのある場所は“キックステップ”を踏みながら、また、“初ピッケル”で三点支持しながら登って行きます。
段差のある個所では、前方に突いた“ピッケル”が固定されることで登りやすくなります。

<雪山歩行ポイント その2>
“ピッケル”は積もったやわらかい雪に突くのではなく、前方を歩いてくれた人の固まった足跡に突くこと!

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登山開始後3時間、森林限界を超えるあたりからの急登の 先に「松ノ木沢ノ頭1484m」の目印“赤布”が見えて来ます。雪の無い登山道であれば、あと少しだと思いながら登って行けるのですが、雪山でのこの距離の長いこと、長いこと。通常15分で登れる距離が、雪山 では1時間かかる場合もあるとのこと。

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松ノ木沢ノ頭直下
急斜面を振り返る

なかなかたどり着かない“赤布”を目指して進むこと30 分、ようやく「松ノ木沢ノ頭1484m」10:10到着、中休憩です。樹林帯も抜け、見晴らしの良い稜線に出たところでも、曇り空、風無し、で順調に登っ てくることが出来ました。改めて“谷川岳”“武能岳”の絶景を堪能です。

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松ノ木沢ノ頭1484m
かすかに白毛門の頂上が見える


昨日のトレースの状況次第では白毛門山頂登頂も可能かも との期待を持ちながら進んできましたが、そのトレースも「松ノ木沢ノ頭1484m」までで終了。引き続き白毛門山頂を目指すも、下山に必要とする時間を考 慮し、13:00を目安に下山判断することとしました。

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松ノ木沢ノ頭からノートレースをラッセルで進む



いよいよ自力“ラッセル”で進むことになります。「ひと り20分交替ね!」とのななこCLからの指示を受け、ガンジーがまず“ラッセル車”ならぬ“初ラッセル者”を志願しチャレンジ・・・・するも、5歩進んだ ところで、右足太ももが攣りはじめ、ゴロ―さんへ交替をお願いし、いきなりリタイヤ(笑)
深い雪から足を抜く瞬間に攣る感じです。
「ほんとに攣ったの??」と疑われつつも、他のメンバーもラッセル中に攣りかけ、嘘じゃなかったことが証明されました。(ホッ!)

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じじ岩、ばば岩が真横にみえてくる

まずは、つくも師匠のピッケルも利用しながらの“ラッセ ル”基本姿勢のお手本を見せてもらうことに。
次のラッセル順番では、“ラッセル”のコツ(雪にハマった足を持ち上げず、膝で道を作ってから前に足を出せば攣らない!)をつかんだ私(ガンジー)が、「白毛門の何かが乗りうつったの?」と思われる程の“ラッセル”パワーを発揮し少し距離を稼ぎました。白毛門の 雪と一体になれた感じです。(笑)
「松ノ木沢ノ頭1484m」から先、白毛門への登山ルートは、西側の樹木を目印とする稜線を確認しながら、まるでリーゼントのように見える雪庇(せっぴ: 雪のかぶった山の尾根、山頂などに、風が一方方向に吹き、風下方向にできる雪の塊)に注意しながら、滑落しないよう慎重に道筋を選びながら進んで行きます。

白毛門の姿が見え始める頃には、東側前方に“じじ岩(向かって左側)”“ばば岩(向かって右手)”も確認できるようになります。

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1560mまで到達し、引き返すことにする

急斜面の足場が不安定なので、下降に補助ロープを出す

しかし、真下は樹木に違いない!と思われる場所では、踏 み込む足が“落とし穴”のようにはまる、はまる。
どこに足を入れても抜けるんじゃないか?と思うほどのポイントを何とか全員でクリア。

白毛門目前1560m12:00に到達した時点で、白毛門頂上までの距離、及びこれまでの“ラッセル”状況から、下山を判断。「雪山で山頂まで到達できる のは4回に1回ぐらい!」との話も受けながら、頂上到達は次回へのお楽しみとし、直前の急坂を補助ロープを使いながら慎重に降りはじめます。

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両足のアイゼンを引っ掛けてしまわないよう歩き方を意識 しながら下山していきます。
帰路のバス時間まで余裕があったため、樹林帯に入ったところで、今回の第二の目的「雪上訓練/強風時の三点支持、滑落停止訓練」です。ここでも、つくも師 匠の滑落停止模範演技を見せてもらってから、交替でチャレンジ。


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赤布の目印が据えられた松の木沢ノ頭まで戻る 


<雪山歩行ポイント その3>
雪山で滑落した時は、ピッケルを持っている側へ向かってうつ伏せになり、ピッケルに覆いかぶさるようにしてブレーキを利かせる。凍った表面にアイゼンの歯 が当たると、一気に体が持ち上がるため、足は高く上げることを意識!

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滑りにくい湿った雪質ではありましたが、小学生以来の雪 の滑り台を満喫しつつ、登山口までの下山を継続。
吹雪かれることも無く、順調に下山し、谷川連峰の案内看板あたりの川沿いで雪景色撮影会実施後、白毛門登山口に15:20帰還です。バス停は除雪されているものの、表面が凍っていて滑るので注意です。
さて、初の“12本爪アイゼン”装着してのガンジー歩行結果と言えば・・・
「普通に歩いていて何で引っ掛けるの?」と思っていた私ですが、両足のカッパの裾に1カ所ずつ、右足のスパッツに1カ所、合計3カ所にアイゼンで作成した 穴が空いてました。アイゼン歩行、まだまだでした(笑)

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少しだけ雪上訓練



当初予定していた「林田旅館」が満員とのことで、紹介さ れた「ホテル湯の陣」の温泉で温まり、水上駅へバス移動し、水上駅電車発17:41〜(途中高崎駅途中下車し祝杯兼ねた夕食)〜21:56新宿駅到着し帰 宅しました。

今回は山頂まで行きつきませんでしたが、“アイゼン”“ラッセル“等、雪山登山を十二分に満喫することが出来ました。雪の中しか歩かなかったので、汚かっ た登山靴が新品のように綺麗になってました。
次回は是非、山頂到達したいと思います。また、雪の無い時期の白毛門にも登ってみたいと思います。
あの落とし穴エリアはどんな場所だったのか?興味津々です(笑)

■ガンジーの白毛門雪山教訓:
「何はなくても“12本爪アイゼン”と“ブラックダイヤモンドのピッケル”」
(ブラックダイヤモンドじゃなくても良い(笑))
                                 


■ペンションレインボー http://www15.wind.ne.jp/~rainbow/ 7020円/1人(朝食のみ)
■温泉 ホテル湯の陣 〒379-1728 群馬県利根郡みなかみ町ゆびそ208 TEL:0278-72-4111         http: //www.itoenhotel.com/search_hotel/hotellist/823_yunojin/tabid/205/Default.aspx
■関越交通バス時刻表 http://kan-etsu.net/publics/index/20/


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