白馬岳〜唐松岳(不帰ノ嶮)北アル プス

日 程: 2014年8月11日(月)〜13日(水)
山域: 白馬岳〜 唐松岳(不帰ノ嶮)北アルプス
形式: 小屋泊縦走
メ ンバー: ななこ(CL) 坂元 つくも
記録: 坂元
集合:
JR稲田堤駅 06:05改札外集合
行程: 11 日(月)移動日:稲田堤発06:12乗車 白馬駅12:41着(青春18きっぷ利用)
白馬駅前のAコープにて食料調達。バス移動にて猿倉山荘素泊まり。

12日(火)猿倉山荘(04:50)〜大雪渓〜白馬岳ピストン〜天狗山荘素泊まり(全行程約10時間30分)

13日(水)天狗山荘(5:00)〜天狗ノ頭〜不帰ノ嶮〜唐松岳〜唐松小屋〜八方尾根(丸山・八方池)〜八方尾根ゴンドラ〜八方〜温泉〜八方バスターミナ ル(全行程約9時間半)


今回の山行は、あこがれの「北アルプス(不帰ノ嶮)」小 屋泊縦走(二泊三日)です!
2013年6月〜「すばるM45山の会」のゲスト山行から始まり、入会後の里山山行での厳しくも、やさしいご指導を経て、今回山行通算15回目にして、 “アルプス”の名のつくあこがれの「北アルプス」デビューです!しかも「不帰ノ嶮」というレベルの高そうなキレットもルート上にあって、期待の膨らむ山行 です!!








<1日目(11日)>
8月10日に台風11号の本州通過もあり、当初予定(10日)から一日延ばして11日(月)からの出発とした。
往路は経費削減のため「青春18きっぷ」をななこさんに手配してもらい、6時間30分かけて最寄りの白馬駅へ移動。(青春18きっぷに年齢制限がないこと にも驚いたが、52歳になって使うことになるとも思わなかった(笑))

白馬駅前のAコープで当日の晩御飯(お弁当)や行動食の補充、長野リンゴ等購入し、駅前14:30発のバスで
「猿倉山荘」へ15:10到着。(バス車内でうたた寝してしまい、気付いたら猿倉山荘に到着していた)
最近は、駅前のペンションに泊まる登山客も増えているそうで、当日の猿倉山荘(100名収容可能)も4グループ10名程度の宿泊客で、私達3名もひと部屋 貸切状態。前日までの台風の中登山していた「大阪工業大学ワンダーフォーゲル部」約20名のグループが夕方下山して来たが、台風の為二日間山小屋缶詰だっ たとのこと・・・でも若くて元気いっぱいの若者達にパワーを貰った感じ!台風通過後の天気回復に期待していたものの、夜の天気予報で二日とも曇雨の予報に ゲンナリしながらも早目の就寝。


DSC00326.jpg




朝4:00に起床。カップラーメンを朝食にし、トイレ他 身支度を整え、山荘4:50出発。
大雪渓の登り口を目指して歩き始めるとすぐ、目の前に「日本カモシカ」が現れ、朝からラッキー!写真撮るもシャッターチャンス外され、すべてピンボケ。
紫陽花も咲き並ぶ整地された林道を1時間程進むと「白馬尻小屋(大雪渓入口)」に5:50到着。
トイレ休憩後、さらに20分程先へ進むと「雪渓末端(大雪渓ケルン)」があります。06:15到着。
ここで軽アイゼンを装着。曇り空の中、いよいよ“大雪渓”(全長3.5km)です!

P8120026.jpg P8120028.jpg DSCN0014.jpg
軽アイゼンを装着



昨 日の雨の影響もあり一部ルート変更もされているとの情報もある中、雪渓上に引かれた赤いラインに沿って縦列で黙々と進んで行きます。途中の支流の雪渓との 合流地点は視界が開けるため休憩地点にしがちですが、最も落石の発生しやすい場所とのこと。まるで海の上の風紋にも似た雪渓表面の模様を楽しみながら進む こと2時間程で大雪渓の上部に08:00到着。
振返ると、黙々と進んできた雄大な“大雪渓”が広がっていました。

DSC00373.jpg DSC00380.jpg




ここから白馬岳頂上宿舎までは岩場の道となります。岩室跡で軽アイゼンを外し、途中避難小屋を抜け、
様々な高山植物が咲き広がる「お花畑」を約2時間かけて登って行きます。呼吸が乱れ、徐々に登るスピードが落ち始めた私に、CLから激励。また、途中土砂降りの雨と強風の洗礼も受けながらもようやく「白馬岳頂上宿舎」に09:50到着です。

P8120048.jpg DSCN0033.jpg DSCN0036.jpg




またも体力不足を痛感しつつ、「白馬岳頂上宿舎」で休憩。行動食、水分補給したところ、「白馬岳」へのピストン意欲が復活し、ザックをななこCLへ預けて、私とつくもさん二人で10:15出発。
ザック無しで身軽にもなり、約30分程で「白馬岳(2932.2m)」頂上に到着。気を取り直して登って来た甲斐もあり、360度の大展望を満喫できました。
 
P8120070.jpg DSC00423.jpg

白馬岳頂上


「白馬岳」に続いて、白馬三山と呼ばれる「杓子岳」、「白馬鑓ヶ岳」に向け、「白馬岳頂上宿舎」11:30出発。
<参考>
白馬岳の山の名は春、田んぼの代掻きの時期に山肌に現れる雪形が代掻き馬の形をしていることから代掻き馬が「代馬(しろうま)」になり、それが「白馬(しろうま)」に変わってその名がついた・・・らしい。

P8120088.jpg DSCN0053.jpg P8120098.jpg
杓子岳へ

白馬岳を振り返る
「白馬岳頂上宿舎」を11:30に出発し、本日の宿泊先「天狗山荘」を最終目的地として、途中の「杓子岳」、「白馬鑓ヶ岳」を目指すも、午 前中の体力消耗(トレーニング不足か?)が影響し、残りの白馬三山(「杓子岳2812m」、「白馬鑓ヶ岳(2903.1m)」)は巻道で通過し、白馬三山 には申し訳ないことをしてしまいました。(次回は必ず頂上に来ますから(笑))

P8120109.jpg DSC00480.jpg DSCN0087.jpg




「杓子岳(2812m」」の巻道では、楽しみにしていた高山植物「コマクサ」も堪能。「コマクサ」写真撮影会の開催もあり、「天狗山荘」に15:20到 着。午後は曇り空ながら、雨に降られることもなく、見通しの良い「白馬三山」の稜線縦走を楽しめました。「天狗山荘」では、「労山メンバーズカード割引 ▲500円」「村営山荘連泊割引▲500円」も適用され、合計1,000円値引きで宿泊(労山メンバーズカードが初めて活躍(笑)。

P8120115.jpg DSCN0097.jpg P8120124.jpg
白馬鑓ヶ岳へ

天狗山荘が見えてくる

今回の北アルプス縦走は、私の「不帰ノ嶮」初チャレンジも考慮し、テント無しの小屋泊(素泊まり)縦走。
小屋の食堂で、本日の夕食「牛丼・たまごスープ・ピーマン塩昆布和え・高野豆腐・おつまみ(サラミ・チーズ)・長野リンゴ 他」を堪能しつつ、明日のメインイベント「不帰ノ嶮」の縦走の話で盛り上がる。

DSC00512.jpg DSC00515.jpg DSCN0105.jpg




・山小屋横の雪渓の雪解け水でななこCLが例の腫れた足首を冷やしながら、他の登山者(若い男性)へ、これまでの登山経験を話し、当日の「天狗山荘」宿泊者に広く伝わって噂になってた出来事。
・今日は途中でへばりながら登ってきて、また、明日は大事な「不帰ノ嶮」へトライする大事な前日にも関わらず、「山小屋の冷たいビールを買って飲みたい!」への禁止令がCLから出て、つくもさん、坂元がションボリの出来事
・サラミのパッケージは外のビニール以外にもう一枚中のビニールをとらなきゃダメじゃん!の出来事
等、いろいろありましたが、詳細は後日・・・

大好きなビールを断ったことが認められたのか、遠方の飛騨山脈の「剱岳」に映える夕日も堪能でき、夜空には月も。明日の「不帰ノ嶮」縦走に期待が膨らむ・・・晴天の朝を迎えられますように!

DSCN0117.jpg DSCN0120.jpg
天狗山荘近くから剣岳を見る
白馬鑓ヶ岳


<3日目(13日)>
朝4:00起床。日頃の行いが良かったのか、ビール飲まなかったからか、雲海からあがる素晴らしいご来光が望めた。カップラーメンを朝食にし、トイレ他身支度を整え、準備運動後、山荘5:00出発。
いよいよ今回の北アルプス縦走の核心「不帰ノ嶮」です!

DSCN0126.jpg DSCN0130.jpg DSCN0135.jpg

山荘を出発


晴 天の右手遠方に「剱岳」の連山を見ながら、左手に朝日の昇る雲海を見ながら、緩やかな稜線を進むこと30分で「天狗ノ頭」05:30到着。「天狗ノ大下 り」のとりつきに06:00到着後、水分補給。相互の落石を考慮し、他の登山者との間隔を空けることとする。難路の登山ルートにも関わらず、女性2名や女 性単独の登山者が多いことに驚く。

P8130138.jpg P8130151.jpg P8130165.jpg
天狗の頭

大下り

06:20「天狗ノ大下り」開始。
いきなり約300mの急降下ですが、長い鎖場もあり、岩の足元もしっかりしていて安心して降りられます。
「不帰キレット(2411m)」からは、これから進む「不帰ノ嶮」が前方に見通せます。


P8130169.jpg P8130177.jpg P8130186.jpg
「不帰ノ嶮」まるっこい一峰の頭とその向こうにとんがった二峰
一峰から二峰を見る


「一峰の頭」に07:30到着。ここからいよいよ「不帰ノ嶮」核心部です。中腹まで鎖を伝ってほぼ直登し、中腹からはハシゴを使いながら左側へ進みます。
P8130190.jpg P8130193.jpg DSCN0156.jpg




08:30「不帰2峰 北峰」到着。ボルダリングでの登り方も応用しながら、慎重に岩場を登り、08:48「不帰2峰 南峰」到着。快晴、微風、乾いた岩場、と絶好のコンディションの下、「不帰ノ嶮」を進むことができ、2峰までクリアすれば核心部はほぼ完了です。

DSC00627.jpg _DSCN0163.jpg DSCN0165.jpg


不帰2峰 北峰

最後の3峰の右手の巻道を進むと「唐松岳(2696.4m)」頂上09:40到着です。
頂上には約10名程の登山者。驚いたことに、唐松岳の頂上では携帯電話が使えて、みんな普通に電話してるし。


P8130219.jpg P8130221.jpg P8130226.jpg




父:「今、唐松岳頂上到着!」のメールに、
娘:「北アルプス行ったんじゃないの?頂上って電話使えるの?(笑)」の返信。
山小屋のトイレの快適さもさることながら、携帯電話カバーエリア拡大も恐るべし(笑)

DSCN0176.jpg P8130230.jpg DSCN0178.jpg
唐松岳頂上から不帰ノ嶮を振り返る むこうに剣岳


「唐松岳」山頂から眼下に望める「唐松岳頂上山荘」までは15分程で到着。
「不帰ノ嶮」で一緒になった大阪からの単独登山者(女性)と休憩。
(本日五竜山荘泊まりとのこと・・気を付けて!)

我々は、八方尾根(丸山・八方池)〜八方尾根ゴンドラ〜八方での下山の為、「唐松岳頂上山荘」10:30出発。
お盆休みとも重なり、多くの登りの登山者と道を譲りあいながら下山すること1時間30分で「八方池」12:00到着。更に30分程進むと「八方池山荘」、リフトの乗車口に12:30到着です。

「グラートクワッドリフト(5分)」「アルペンクワッドリフト(7分)」「八方ゴンドラリフト(8分)」を乗り継いで「八方駅(770m)」に無事到着 し、「ホテル・グレース白馬」白馬八方温泉「美人の湯」で縦走の疲れをとり、「白馬八方バス停」15:30発の新宿行高速バスで帰宅の途につきました。

「大雪渓」「不帰ノ嶮」・・・登りがいのある、充実した「北アルプス」初デビューとなりました!!


chronicle
return
すばるM45山の会
.
subaru M45 alpine club
inserted by FC2 system