ツクモグサを捜して八ヶ岳縦走(横岳 - 硫黄岳)

日 程: 2014年 6月 7日〜8日(土日)
山域: 南八ヶ岳
形式: テント泊縦走
メ ンバー: ななこ(CL) 坂元 ゴロー つくも
記録: 坂元
集合:
JR茅野駅10:12着
行程: 7 日(土)茅野駅発バス10:25〜美濃戸口(八ヶ岳山荘)着11:02 出発11:20〜赤岳山荘〜美濃戸山荘12:25〜赤岳鉱泉幕営地(2220m) 15:20 (全行程約4時間)

8日(日)赤岳鉱泉幕営地05:25〜行者小屋06:10〜地蔵尾根/地蔵の頭07:45〜日ノ岳-鉾岳08:25〜三又峰09:00〜横岳 (2829m)09:20〜硫黄岳山荘10:00〜硫黄岳(2760m)10:26〜赤岳鉱泉着11:56
赤岳鉱泉(幕営地)テント撤収 赤岳鉱泉発13:10〜美濃戸口着15:40
(美濃戸口発バス16:30乗車〜茅野駅着17:07 現地解散(全行程約9時間30分)


今回の山行は「ツクモグサ<九十九草>」を探して南八ヶ 岳縦走(一泊二日のテント泊)です。
「ツクモグサ<九十九草>」
 ・大きさ:全長15〜20p
 ・特色:標準標本/八ヶ岳 高山帯の乾いた草地・岩壁に生える多年草 長野県絶滅危惧TA類。
 ・花期:雪解けから1ヵ月位の間
とのことで、梅雨入りしたものの、「ツクモグサ」を見るなら今!とのことから、梅雨にもめげず出発です!

“八ヶ岳”というと、学生時代「高石ともや」ファンだった私には、作詞/高石ともや、作曲/杉田二郎の♪八ヶ岳♪が思い出され、いったいどんな山なのか、 興味津々の山行計画でもありました。

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美濃戸口から



<1日目>
JR茅野駅10:12着のため、土日運行含め6便しかないバス路線の中から茅野駅発10:25が一番良い接続。
約40分で美濃戸口(八ヶ岳山荘)に到着。土日とも雨の予報の為敬遠されたのか、混雑するはずのバスも我々4名+単独の登山者1名のみの貸切バス状態。こ の時期、あり得ない閑散状態とのこと。

トイレ他身支度を整え、美濃戸口11:20出発。
美濃戸山荘までの約1時間の行程は、樹林帯に囲まれたアップダウンのある林道。赤岳山荘周辺には
登山者用の駐車場もあるため、車も行き来できる広い道を延々と歩き続ける。
美濃戸山荘前にある水場の山水で喉を潤しひと息。また、曇り空から少し小降りとなって来た為、カッパのズボンを穿いてスパッツ装着。

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苔むした樹林帯 増水気味の柳川北沢沿いの登山道

美濃戸からは北沢コースと南沢コースへ分岐するが、我々 は「赤岳鉱泉」へ向け北沢コースを選択。
先日からの雨で増水気味の柳川北沢を何度か渡り返しながら、苔むした樹林帯を進む。
(宮崎駿監督のジブリ作品に出てきそうな苔むした樹林帯で神秘的!)
北沢の後半は少し勾配がつき、急坂を登り詰めると赤岳鉱泉に到着15:20。(美濃戸からの所要時間 約3時間) 
既に赤岳鉱泉で2220mの標高。背後には、大同心、小同心がそびえていた。


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赤岳鉱泉でテントをセッティング


小雨の中、テント場に4〜5人用テント(ななこ、つ くも、坂元)、1人用テント(ゴロー)をセッティング。ここでもテント泊の登山者は無く、我々4人のみの貸切状態。
(赤岳鉱泉がこの時期貸切状態なんてあり得ない!とのことですが、初めての私には、いつもの混雑が想像できず・・・)

「赤岳鉱泉」の山小屋で情報収集:
山頂では“ツクモグサ”咲いているところありますヨ!
大雨の為、中央高速が一部通行止めのため、山小屋宿泊予定者のキャンセルもあり、本日5〜6名程度の山小屋宿泊状況とのこと。ついでに、寝酒のビールも購 入。

ひと息ついたところで、お楽しみの晩御飯の準備開始。
お米大好きの私には初めての“アルファ米”とななこさんお手製の豚汁料理開始。お酒のお摘みは、共同作業の千切りピーマンに塩昆布を混ぜた逸品!・・・こ れが予想外にお酒(日本酒)のお摘みに合っててビックリ!!
(自宅でもやろう!)
この日のために青森出張先から購入してきたお勧めの日本酒 銘酒「豊杯」を豚汁の料理酒にする案が出て・・・
「豊杯」に失礼!と猛反対した。
夕食では、豚汁のおかわりも戴き、初めてのアルファ米も堪能し、明日4:00の起床に備えてPM8:30就寝。
仕事の疲れ、1日目の山行疲れもあり、爆睡できるかと思いきや・・・ほぼ2時間置きに目が覚める。

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千切りピーマン



<2日目>
テントにあたる雨音と“ピー・ピー”と聞こえる鹿の鳴き声をBGMにうとうと睡眠を続けながらも、AM4:00を迎え起床。快適な山行のために“快便”で あることが必須の私にとって、今どきの山小屋のトイレ(水洗/ペーパーは流せない)は至れり尽くせりの環境でした。

カップラーメンの朝食を各自済ませ、張られたテントはそのままに、八ヶ岳縦走に必要な装備のみをザックに詰めて、赤岳鉱泉05:25出発。朝もやの中に大 同心、小同心が望まれた。
右手に救助隊ヘリポートを見ながら雪の残る山道を進むとやがて中山乗越に至る。西に中山展望台を示す標識を確認しながら樹林帯を10分程南へ進むと行者小 屋(2354m)に06:10到着。既に里山頂上と同じ標高なのだと再認識。行者小屋のテント場も登山者少なく、張られているテントもひと張のみのさびし さ。行者小屋からは少しの晴れ間からゴローさんが登りたがっていた“赤岳”がはっきりと望めるが、今回は地蔵の頭からは横岳への縦走のため、次回のお楽しみ とする。

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解けた雪が氷になって歩きにくい(カチカチ) 行者小屋

い よいよ行者小屋から地蔵尾根へ。八ヶ岳の主稜線(地蔵の頭)まで、標高差350mの急登。途中、鉄の階段が現れるところから、一気に傾斜が増し、なぜか倦 怠感に襲われ、登山スピードが落ちている私に、ななこさんから“山に飲まれてるんじゃないの!”と叱咤激励されながら森林限界を超え、地蔵尾根の核心部へ。

 
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阿弥陀岳、行者小屋の向こうに雲海も見えたが
霧になって終始雨のなかを進む(地蔵尾根の鎖場)
地蔵の頭

途中、振り返ると、直下には先ほど出発した“行者小屋”が小さく見え、遠くには素晴らしい“雲海“が。
後半には、急こう配の斜面に設置された鎖場があり、地蔵尾根の最大の難所。しかし、鎖、階段などがきちんと整備されていて、問題なく通行できた。核心部を 超えると傾斜が緩み、ザレた登山道をジグザグに登ると、お地蔵様が迎えてくれます。地蔵の頭到着07:45。


地蔵の頭から赤岳に背を向け、北へ約30分程で“二十三 夜峰”に到着。

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二十三夜峰

その先の日ノ岳-鉾岳間 の稜線にて、今回最大の山行目的「ツクモグサ<九十九草>」と初対面。白馬とここでしか見られない「ツクモグサ<九十九草>」発見です!しばらく各自記録 写真撮影。

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ツクモグサ(日ノ岳-鉾岳間の稜線にて)
ツクモグサ

ななこさんと一枚岩の鉾岳とのツーショットは、雨で風景 写真が少なかった中でのベストショット!

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ツーショットの岩から
茅野側に回り込む


その後、クサリ、ハシゴを伝いながら石尊峰〜三叉峰(2825m)を抜けると横岳の主峰“奥ノ院(2829m)”に到着

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三叉峰(2825m)
横岳の主峰”奥ノ院(2829)”

更に、カニの横這いを30m程進 む。尾根が狭まり、左側が切れ落ちた斜面を通過するが、藻やった雨の中の登山で、見通しが悪い分あまり危険も感じず、落ち着いて歩けば安全に通過できた。
今回の山行は終始雨の中 の縦走のため、風景を楽しむのでは無く、“雨の中の縦走訓練(修行!)”と言い聞かせながら、黙々と歩き続ける。(次回、晴れた日に必ずリベンジすること を誓いながらの一歩一歩・・・・)

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カニの横這い

それにしてもななこCLの歩行スピードについていけず、ほんとに山に飲まれたかと思いながら必死に足を進める!(ここで少し休みませんか〜)
こんなに体力なかったか なと思いつつも、横岳から30分程北へ進むと硫黄岳山荘に到着10:00。


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硫黄岳山荘

  休む間も無く、硫黄岳山荘を出発し、大ダルミから幾つものケルンを目標にしながら山頂を目指す行程がまたしんどくて、このままだと倒れそうだと思いながら の登りを堪能する。ケルンに石を積む元気も無し(笑)。景色が見えたらもっと楽しく登れるのか???進むべき道しか見通せない状況から、縦走訓練日と肝に 銘じて進む。

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ケルンをたどって硫黄岳へ
硫黄岳(2760m)


あれが最後のケルンかと靄の中に浮かぶ石積みを目標に進 むこと30分程でようやく硫黄岳(2760m)に到着。
爆裂火口近くは、まるで熊本の阿蘇山のような赤土の風景。
山頂は風は無いものの、濃霧時には登山道を見失う場所でもあり、下山方向の“赤岩の頭“への道を確認し下山始める。


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樹林帯をジグザグに下る


樹林帯をジグザグに下ること約1時間30分、幕営地の赤 岳鉱泉に無事11:56 到着する。
テント撤収し、赤岳鉱泉山小屋のうどんを食べてひと息つく。

目的の「ツクモグサ<九十九草>」とも出会え、八ヶ岳の場所、縦走難度も把握でき、満足しな がら次回、天気の良い日の“八ヶ岳山行”を楽しみに美濃戸までの帰路へつく。

晴れた日の山行だけでなく、雨の中でのテント泊山行で、カッパ、ザックカバー、テント張り、食事、縦走時の注意点、等いろいろと勉強になった“雨の八ヶ岳 山行”でした。
 
♪明日からは街ぐらしまた始まる
        八ヶ岳はもうすぐ初雪なんだね♪  =八ヶ岳/高石ともや=


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