大菩薩嶺 - 大菩薩峠 - 狼平(大菩薩)

日 程: 2015年 1月31日〜2月1日(土日)
山域: 大菩薩・ 小金沢連嶺
形式: 雪山縦走
メ ンバー: ななこ(CL) つくも さえこさん
記録: ななこ
集合:
JR中央線 上野原駅着8:08河口湖行き乗車 北口バス無生野行乗り場
行程: 31 日(土)塩山駅発大菩薩峠登山口行きバス9:30〜登山口下車10:00〜上日川峠11:54-12:25〜唐松尾根〜雷岩14:20〜大菩薩連嶺 (2057m)14:30〜勝縁荘着15:50(素泊まり)

1日(日)勝縁荘発6:15〜介山荘7:03〜熊沢山〜石丸峠8:00〜天狗棚山(1957m)8:50〜狼平9:15〜介山荘11:10〜勝縁荘12: 00〜大菩薩峠登山口14:40


記録

31日:
10数年ぶりに大菩薩峠登山口行きバスに乗る。5、6人程度の乗客の少なさにまず驚く。近年大人気となっている大菩薩連嶺と聞いていたのにやはり 冬は入らないのか。予想を反して静かな山になりそうでテンションが一気に上がった。がしかし、宿泊予定の小屋が休みで200m以上も下の小屋に泊まるはめ になったこと。大菩薩連嶺の湯が4月頃まで休みと知ったなど想定外の展開となって山行が始まった。

DSCN2477.jpg DSCN2479.jpg




バスを降り上日川峠まで約2時間の予定。冬晴れの中気持ちよく芦倉沢沿いの車道からみそぎ沢を渡り登山道を折り返しながら高度を上げていく。2度ほど車道を横切り沢の右岸沿いの昔の峠道を、はあはあいいながら足を進める。上日川峠までアイゼン無しで歩く。

DSCN2484.jpg DSCN2496.jpg




長 兵衛小屋付近積雪は30〜50センチくらい。気温は氷点下だと思う。単独の男性が一人たばこ吸っている。大菩薩連嶺の湯が休みの札がさがっていたことが やっぱり気になってたとのこと。同じバスに乗車していたから見逃せなかったのだろう。なんてったって冬山降りてからの温泉は一番の楽しみだから。そして、 彼は私達と同じ唐松尾根へと先行。30分休憩して冷えきってしまったので、そそくさとアイゼンを付けて小屋裏から唐松尾根を登って行く。唐松林の山腹を快 適に歩く。冬山初体験のさえこさんが、目を輝かせてこの静かな雪景色を堪能してる顔を見ると、こっちの疲れもふっとんでくるようだ。


DSCN2502.jpg




岩と岩の間に氷と雪があるが問題ない。だんだん高度を上げていくにつれ眼下に展望が広がってきた。14:20雷岩に到着風無し。左から富士山、南アルプス、八ヶ岳、北アルプス、奥秩父の山々と絶景が続いている。先行してた単独男性に写真を撮ってもらう。

DSCN2506.jpg





いつもはあんなに混雑しているのに、今日は4人だけなのでついつい話が盛り上がる。さえこさんと単独男性2人で大菩薩連嶺山頂へ出かけて25分くらいで戻ってきた。「なんも無い薮の中でした」とさえこさん。

DSCN2511.jpg DSCN2514.jpg DSCN2515.jpg




その後私達は彼と別れ先に大菩薩峠へ向かう。膝くらいまでの最中雪で気分ダウン。トレースがうっすらあるが風で吹き飛ばされいる。この辺りは大菩薩連嶺で一番気持ちの良いルートを3人だけではしゃぎながら足を進めて行く。
 
DSCN2517.jpg DSCN2527.jpg




東 小屋を過ぎ宿泊予定だった介山荘休業の札を確認。そしてやっぱり明日行く予定の小金沢連嶺方面のトレースがまったく無いこと確認!ああ〜明日は、大ラッセ ル大会だね〜と意気消沈してる私に、「ななこさん、私頑張ります!ラッセル!」とさえこさんがまた大きな目を輝かせて言った。なんて頼もしい女子でしょ う!今後の山行もよろしくね!

DSCN2529.jpg DSCN2530.jpg




200m 下の勝縁荘へほぼ車道の道のくねくね道を向かう。15:50勝縁荘に到着。小屋前に同じ服装、同じ顔と背格好の中年男性がいた。風邪ぎみの私の錯覚と思い きや双児さんだった。勝縁荘は介山荘の経営で、秋より5年ぶりに再開したばかりらしい。古民家を改装した珍しい山小屋。宿泊客は8人。炊事は玄関の広い土 間を利用。大きなだるまストーブと6、7人用赤いクロスがかけてあるテーブル。

DSCN2531.jpg DSCN2535.jpg DSCN2540.jpg




超〜 アットホームの中で楽しく楽しくみなさんとの夕食タイムを過ごした。そう、あの雷岩でいっしょした単独男性もやっぱりやってきてきたので、約束どおり豚汁 をお裾分けしてあげたら、おいしいおいしいとほっぺを赤くして感激してた。ここぞとばかりに、明日のラッセル大会に誘ったが、あっさり断られた。20時過 ぎに寝床に入る。なんと布団の中に行火が入っていて、子供のころを思い出しながらすぐに爆睡。

DSCN2541.jpg






1日:
5時起床。こっそり土間で朝食の準備をしていたら、双児さんのどちらかが、さりげなくだるまストーブに火をおこしてくれた。お見送りまでしていただき6時 過ぎに小屋出発。薄暗いキーンと空気の凍った冬山の中へ。そして2000円でレンタルした初スノーシューで歩くの楽しみ。とはいえ、てっきりトレース有り と信じきってワカンは準備してきていないし、たぶん坪足で大丈夫と思っていたがたいへんそう。やっぱり現地にきてみないとわからないことばかり。特に冬山 は。スノーシューが借りれてラッキーでした。

DSCN2546.jpg DSCN2548.jpg DSCN2552.jpg




小鳥のさえずる針葉樹林帯の山腹の道を、アイゼンが雪をかむ音を聞きながら薄いピンク色からオレンジ色へ変化していく光の中を登って行く。右側に赤い富士山が見え隠れしている。45分ほどで介山荘到着。


DSCN2554.jpg DSCN2557.jpg




も ちろん人の気配はまったく無し。体感マイナス15度くらい。さあ〜、私達3人でトレース作り開始しましょうか。そういえば年末の白毛門も確か同じだった な。スノーシューの私がはりきって先頭を行く。このスノーシューたるもの平な面だと快適だが、重さはないが、大きいので急斜面がワカンより扱いにくい。雪 面が凍っていてちっともラッセルになってない感じで、水面を移動するアメンボウだが、なかなか快適。後続は辛そうに坪足でズボズボ、太ももの上あたりまで 踏み抜いてめんどくさそうに登ってくる。登山道が雪でまったくわからない。深い所で積雪70センチ位。たぶん道は西側を巻くような感じのようだが、とにか く尾根をめざして木々の間を縫うように急騰を上がって行く。ここにきて、スノーシューがもたついて大奮闘となる。足が吊りそう。時々目についたピンクテー プを3人で確認しあいながら樹林帯の中にトレースを作って行く。

DSCN2560.jpg DSCN2561.jpg DSCN2562.jpg




少 し進路を東側へ向け太陽の光に導かれやがて明るいピークへ出た。熊沢山である。展望が一気に開けこれから行く予定の小金沢連嶺の山々が見える。キラキラと 輝くダイヤモンドダスターの中で小休憩をとりながら、遠く南の先に滝子山が見てとれる。天狗棚山、小金沢山、牛奥ノ雁ノ腹摺山、その先の山々が黒々とそし てササ原の真っ白の中を雪煙が右へ左へと駆け巡っている。西風が強く吹いている様子。人の気配、もちろんトレースらしきものも見当たらずだ。予定は、ス ノーシューの返却もあるので10時の時点で引き返すと決めてあるが、やっぱりテンションは下がる。樹林の中を東へ進み牛ノ寝通りへの分岐を過ぎ、石丸峠か ら進路を南へと変えて小金沢連嶺の尾根に取り付いた。絵画のような美しい景色に見とれる。上日川ダムがいい感じで大菩薩湖を引き立ててその奥に裾野をいっ ぱい広げた富士山が朝日に染まっていた。


DSCN2563.jpg DSCN2567.jpg




こ こからスノーシューをさえこさんと交代する。時々強風を顔右半分に受けるが、2000m級の山域なのでさほど辛くない。快適にスルスルと進んで行くさえこ さんのずっと後を、風邪ひきのつくもとななこが足の付け根あたりまでもぐり最中雪の中をズボッズボッと続く。あんまり役にたっていないスノーシューだが無 かったらもっとしんどいことだろう。アップダウンを繰り返し天狗棚山からスキー場のゲレンデのようなコースを滑るのではなくズボッズボッと進んで、広いサ サ原狼平へ入るとすさまじい西風を受ける。上日川峠からの道標を過ぎるとまた樹林帯の登りだ。先頭のさえこさんへ進む方向を後ろから指示しながら続いて行 く。ピークへ出てまた最中雪をズボズボ行く。だんだん飽きてきた。むなしくなってつまらなくなってきた。「今、何時?」と聞くと「9:15だよ。」と疲れ た顔でつくもが言った。さえこさんは、白い息をはきながら両頬を真っ赤にして、強風で乱れた右側の髪が白くカチカチに凍って棒になっていた。「もう引き返 そうか?」と切り出した私に「ですね。どうせ戻るんですもんね。」とさえこさん。とっくに賛成顔のつくも。

DSCN2568.jpg DSCN2569.jpg DSCN2571.jpg




そ うと決まれば、なぜかパワーがみなぎってくる。風よけできる場所まで戻って小休憩。途中さえこさんのスノーシューが外れたので、私が交代した。凍りかけた パンをほおばって自分たちでつけたトレースを上から満足げに眺めていたら、上日川峠方面から単独の黒い人影を発見して思わずオーイと声をかけて手を振った が、気がつかない様子。ちょっと迷って小金沢山方向へ向かって行ってる。「残念ながらもう30mも進むとトレースは無くなりますよ。だって私達がつけたの で。」っと、3人で笑った。

DSCN2572.jpg DSCN2577.jpg DSCN2581.jpg




その後、快適に来たトレースを使い介山荘に11:10到 着。二人黄色いカッパの人が屋根の雪下ろしをしていた。すっかり暖かくなった日差しの中を勝縁荘へ向けて歩いている後ろから、「やあ、おつかれさま」と声 をかけられた。振り向くと双児さんだ。黄色いカッパふたりはやっぱり彼らだったのだ。「どこまで行きました?」と聞かれたので、「狼平まででやめました」 と答えると、「すごいね〜」と二人が同時に言った。彼らが先に小屋へ帰っていった。「双児さんのリアクションで私大満足できました!」とさえこさんが言っ た。そこで3人が初めて頑張ったラッセルの大満足感に浸って笑う。スノーシューを返した後双児さんに別れを告げて山を下りて行く途中、バス停近くの車止め の所が全面凍っていてアイゼンを外していた私はそこで派手に転んでしまった。早めに切り上げたのでバス時間まで2時間近くあったが、バス停でいっしょに なった5人パーティの方が、私達の温泉どこに行こうかとの話を聞えたらしく、「ここから10分くらいの所にある雲峰荘がありますよ。」と教えてもらう。は だしで足を休めているさえこさんに「さあ行くわよ〜」と声をかけ緩い坂道を駆け上がって行った。小さいけど雰囲気のあるいいお湯。しかも岩風呂になってい ていい手がかりのスラブの斜面だ。「誰もいなかったらきっと登っちゃうね」っと二人で笑ったが、岩好きのさえこさんもきっと登るだろうなと思った。バス停 前の茶店でほうとうを3人で食べて、体の外も中もぽかぽかになってバスに乗った。帰りは満席だった。帰りの電車の中でデジカメの写真を見ていたら、最後の 3枚が岩風呂の中だった。男湯で、つくもがわざわざ撮っていたことが大爆笑。こうして小金沢連嶺ラッセル大会が終了と なった。

DSCN2594.jpg





chronicle
return
すばるM45山の会
.
subaru M45 alpine club
inserted by FC2 system