滝子山 - 大谷ヶ丸 北西尾根(南大菩薩)

日 程: 2015年 4月12日
山域: 滝子山 - 大谷ヶ丸 北西尾根(南大菩薩)
形式: 読図ハイ キング
メ ンバー: な なこ(CL) ガンジー つくも
記録: つくも
行程: 笹 子駅8:00 〜寂ショウ尾根取付き8:34 〜滝子山11:24 〜大谷ヶ丸(南峰)12:41 〜
北峰13:10 〜北西尾根(P1489m14:23 〜P1387m14:45) 〜林道に出る15:24 〜天目山温泉16:33(全行程8時間30 分)


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笹子駅を8:00に出発。私達の山の会ではこのところ笹 子駅から天目山温泉へいろんなルートを使って頻繁に通っている。アプローチが便利でお得!下山後にはどうしても温泉に入りたいというCLななこさんの要望 でどうしてもこうなってしまうのだが、いまだに行ったことのないルートがあるのは驚きだ。

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途中、吉久保の集落にさしかかると、ちょうど桜が満開 だ。庭先にチューリップや水仙が咲き、神社のしだれ桜のトンネルをくぐっていくと春になったんだなとわくわくしてくる。しかし周辺の山はまだ冬のたたずま いで、もうすぐ芽吹くのが待ち遠しい。

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寂ショウ尾根
寂ショウ尾根のイワカガミ
滝子山頂上

通いなれた寂ショウ尾根へ。 
少し雨がふったのか濡れた岩に気をつかうが、人気の登山道になって歩きやすくなった岩場を快調にすすむ。
滝子山の狭い頂上は、いつものように登山者が多くて華やかだが霧になって展望は何もなかった。頂上から先へ進み、スミ沢からの登山者と次から次へとすれ違 う。

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大谷ヶ丸への縦走路に入る
大谷ヶ丸手前の平坦なくぼみには雪が残る


分岐から大谷ヶ丸への縦走路に入ると登山者は急に少な い。霧が濃くなり、下降バリエーションの読図が難しくなるのが心配になってくる。雑木林の足下は雪がなくなったばかりで、去年の落ち葉がぎっしり積もった なだらかな地形が美しい。大谷ヶ丸の手前の平坦な窪地に一面の雪で驚くが、根雪ではなくて先週の季節はずれの雪のようだ。

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大谷ヶ丸(南峰)
北峰にて前回の西尾根への下降をチェックする
いよいよ北西尾根へ

4時間40分ほどで大谷ヶ丸に到着。ここで昼食とり、す ぐに北峰にむかう。

北峰に到着しここから北西尾根(読図バリエーション)を降りるのだが、その前にもうひとつのバリエーション西尾根の下降点をチェックする。というのも数週 間前にこの尾根をガンジーさん単独で挑戦したが、少し北にずれた所から下りてしまい、おかしいなと思って途中で登り返し、トラバースして難をのがれたとの ことだった。前回どこから降りてしまったのか?正解のポイントはどこか?いっしょに入念に確認する。残雪の時期であり落ち葉の下には凍結した雪があってよ く急傾斜をこなしたものだとむしろ感心する。

いよいよ今日のお楽しみの北西尾根へ。初めての尾根の下降は楽しみだが難度の読図というふれこみなので緊張もしている。

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地形図から想像されるように、最初は大きくて明瞭な尾根 である。
このまま、幅の広いのんびりとした尾根をいくのかな〜と思っていると、不意に岩場っぽくなってきた。大きな尾根には違いがないが、上部はやせた岩で左右が 切れ落ちている。これにはまったく予想もしていなかった!
 
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踏み跡のあまりない岩場では、歩かれた登山道とは異なっ て慎重になる。浮き石や花崗閃緑岩はもろくて剥離しがちだ。俄然緊張でテンション全 開に。といってもヤバイというほどではなく、適度な緊張感を楽しみながら3人とものりのりになってきた。北西尾根は予想外の掘り出しものだった。
ごろごろした岩の尾根がしばらく続き、途中一カ所では、のぞきこんでも足下がよくわからない程度の岩場にさしかかる。勢いで先頭のガンジーさんは軽くクリ アしてしまったが、ここでは安全をみてロープを出してもよかった。

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下をのぞきこんでいるところ


やがて岩がなくなって一息つくが、さらに進むとまたやせ 尾根になってきた。岩場ではないが、やっぱりのぞきこむほどの急斜面で、下草が枯れてつかむところがないので(さっきだしそこなった)ロープをだして補助 にする。2ピッチほどロープを使った。

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ロープを出します



この最後の急斜面おりるとコルがあって、次のピークはこ れまでと対照的に平坦なひろがりになる(P1489m)。まわりから隔絶されてエアポケットのように静かだ。きれいな雑木林の足下の笹に冷たい風が通り抜 けて、カサカサという音だけが聞こえてくる。一息つこうかなと腰をおろしたくなるが、地面にはびっしりと鹿の糞がまきちらされているのでこれでは休憩も出 来ません。ここは鹿の王国だった。

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P1489
P1489は鹿の王国


さらに進んで、次は読図の要注意箇所かなと地形図を一生 懸命みていると、先をいく2人があっけなく分岐点を特定してしまった(1400m付近)。まだ新緑の前なので見通しのいいことが幸いした。ここから左へ下 降する(右にいって米背負峠登山口付近へ出ることも可能だと思われるが、今回は左へ下降が予定のルート)。

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左へ 1400m付近の分岐



すこし進んでコル付近で鹿の角をひろう。角の抜け落ちる シーズンなのだろうか?一年前にも鶴ヶ鳥屋山で角を拾ったので、おかげで左右の角がそろった。
さらに進むと向こうに小ピークの盛り上がりがみえてくる。このピークが次の分岐点だがここは明瞭。コンパスで左へ方向を合わせて進む(P1387)。

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鹿の角を拾う
P1387
左へ

ここから右への、またはもう少し先からも右への支尾根が あるが、右には行かないようにこころがける。林道の側壁がコンクリートのものすごい断崖絶壁になっていることを、あらかじめチェックしておいたからだ。


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いまここだよ。ゆっくり地図をみていると置いてかれま す。


1387mを越えると、雑木林のところどころがカラマツ の植林になり、枯れたスズタケのヤブが背丈ほどになってくるところがある。こんなヤブでも自然と一体になったように感じとれて、むしろよい雰囲気だ。以前 よりは枯れて少なくなったほうだと思う。

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最後に、右も左も断崖(左右とも林道の側壁)になった三 角形のやせた尾根をたどって林道に降り立つ。思い描いたとおりの行程を達成できて気分は上々。林道から、たどってきた尾根を満足そうに眺める。
林道のトンネルの入口ではカモシカとも遭遇。今度のバリエーション、岩場も読図もきれいな自然もあって、やっぱり掘り出し物だったねと振り返った。


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