飯盛山 北西尾根支稜(八ヶ岳)
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東
京近郊の山はどこも雪が少ない様子。ならば八ヶ岳へまで足を延ばせば気持ちよい雪を踏めるのではと。でも日帰りとなると野辺山付近の山を捜してみたら飯盛
山を発見。清里駅からの周回コースをつくってみた。八ヶ岳の眺めもすばらしいはず。昨日低気圧も過ぎて今日は晴天間違い無しと心を踊らせ長坂駅より市民バ
スに乗り込む。乗客は私一人。運転手さんとおしゃべりしながら北へとバスが登っていくけどやっぱり雪は少なめ。なんと飯盛山らしき山には雪がないみたい。 |
清里駅 |
平沢橋 |
清
里駅到着。人影もまだらでオフシーズン感が漂っている。とりあえず観光案内所で近辺のざっくりしたマップをもらって9:30出発。風がちょっとあるがさほ
ど気にならない。平沢橋に到着。昨日の雨で水量が多い様子。橋を渡ってすぐ鹿柵を開け北西尾根のよさそうな取り付きを捜すがどこもかなり急登、地形図で確
認すると上流に行くほど崖になるので適当にさぐって登り始めるが、くさった雪と大きな岩が行く手をはばむがピークをめざして慎重に登って行く。 |
鹿柵を開ける |
北西尾根取付き付近 |
ピーク1275m付近 鹿柵が続く |
左
側には鹿柵が延々と稜線まで続いているようにみえる。上に行けば行くほど斜面がきつくなり四つん這いで這い上がった。大門川の上流は深い崖が続いて深い谷
になっていた。磁石で方向を確認して北東へ延びる尾根を進めば、やがて車道へ出るはず。雪は深いところで20cm、所々凍っているけど問題はなさそうなの
で12時過ぎには平沢山山頂あたりまで行けそう。しばらく歩いて例の鹿柵はやはり稜線まで続いておりしかも進む方向へ延々と続いている。柵の南側が牧場に
なっている。進むにつれて稜線ギリギリまで柵が張ってあるので足場がどんどん悪くなってきた。左下は崖になり急峻な沢の音が響いてくる。雪もついていて落
ちたら絶対まずいのでとりあえず安全な場所へ引き返すことにする。この柵が30cm内側にあったら100mくらい歩けば安全な場所まで行けるところだった
のに。柵を乗り越えようか、ただこの柵がぐらぐらしていて雪が積もっていればよかったけど、しかも単独なので支えの助けも無い。万が一越えられても牛が
寄ってくるかもしれないし、人に見つかったら恥ずかしいし。やはり取り付いた所までもどって仕切り直すことにする。 |
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もとに戻って仕切り直す |
平
沢橋に10:40。1時間のロス。川の右岸の看板に宮司の滝の案内があるが、その先が徒渉しなければ尾根に取り付けないはず。この水量では不可能だけど、
とりあえず本流右岸沿いの小道へ下ることにした。沢筋はつるつるに凍っているのでアイゼンで歩く。薄暗いのは少しでだんだん明るくなってきた。左は大きな
岩の崖が続くが電車の音が聞こえてくる。 |
川の左岸に美しいつらら |
宮司の滝 |
大 門川本流右岸ピーク付近 |
す
ると宮司の滝の看板が川へ向かえと矢印があった。大岩の右を巻くようにクサリがついてるが、足下の岩は完璧な氷なのでアイゼン無しでは降りれないと思う。
川の左岸は崖がえぐれていて美しいつららがカーテン状2m×6mかかっている。どんずまりまで行くとりっぱな宮司の滝がゴウゴウと大量の水が落ちていた。
水しぶきが冷たいので看板の所へもどる。すると獅子岩への看板を発見。願ったり叶ったりで素直に矢印がさしている尾根へ登って行くとピークに到着11:
15。左に八ヶ岳が木々の間から見えたので現在位置を確認。予定していたルートの北西尾根は、本流上流の北側から上がるコースがあったようだ。ほっとして
ここで小休憩をとる。 |
そ
の後は道標に導かれて東へ進路を変えて歩いて行く。少し下ると小さな支流が何本も合流して広い三角州に林が形成されたような地形へ入る。足下は雪でべちゃ
べちゃしているけど日だまりで明るく小鳥のさえずりと沢の水音で癒される場所である。鼻歌まじりで進んで3本目の橋を越えて笹の薮の中をだんだん登り背丈
ほどの笹薮をかきわけて小高い所へ出た。もはや頼りの看板は無くなっていた。 現在位置をだいたい検討して地形図と磁石で調べるとまだ尾根にはたどり着いていないらしいので 磁石に従ってモナカ雪と薮が膝上まであって歩きにくいが見通しがよいので気分はいい。高い箇所を目指し進んで行くと地図にない林道?にぶつかる。 |
赤 い布の箇所だけが開いた | 柵 の反対側に宮司の滝への看板があった |
ま
た鹿柵が現れ先に進めない。延々とどこまでも延びていていらいらしてきた。30分くらいだろうか、まるで映画でみた逃亡者のような気分になってくる。する
と柵の反対側に宮司の滝への看板があるではないか!でもどうやって通るのか訳がわからない。もっと積雪があれば越えられるのにと思いながら柵を捕まえて揺
すった指先の前に細い赤い布が小さく巻いてあるのを見つけた。よく見ると反対側にフックがついていてそれを上げるとこの赤い布の箇所だけが開いた。超嬉し
くて大声で叫んでいた。単独だとすべて一人で解決しなくてはいけないにでたいへんである。 |
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平沢簡易水道所 |
鉄 製のとびらを開けて抜ける |
よ
うやく柵をこえて林道をどっち?ひとまず小休憩して落ち着こう。それから何度も磁石で調べて北東方向と思うのだが、看板は南へ進めとある。たぶん巻き道に
なっているのだろうと考えやはり北東へ向かって薮の山腹へ上がって行った方がショートカットだ。ふうふう言いながらやっと稜線に着いてみると、またしても
鹿
柵に阻まれた。柵沿いに歩いてみたら今度はゴルフ場の頑丈な柵と合流である。少し下って来たルートの反対つまり南方向へトラバースして進む。気分は絶不調
である。一人でぶつぶつ言いながらしばらく歩くがモナカ雪に疲れて太ももが吊りだしたのでしかたなく林道まで下る。トボトボ歩いていると平沢簡易水道所の
建物があった。たぶんゴルフ場で使ってるんだろうなんて勝ってに決めつけて鉄製のとびらを開けて抜ける。 |
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時
間はすでに13:37になってしまったのでピッチをあげて50mくらい歩いていると左に獅子岩・飯盛山の看板を発見。静かに看板に従って登って行く。つづ
ら登りの道には踏み跡はないのでこのルートはほとんど歩かれていないのであろう。ようやく北東尾根の稜線に踏み入るができてさわやかに喜びを噛み締めたの
が12:50。東の方向にこれから行く平沢山その南の先に朝眺めた飯盛山がみえた。尾根を北東にどんどん進む左横に忌々しい柵が車道に出るまで続いてい
た。 |
車道はりっぱで野辺山と清里へ続いている。車道の反対側
に飯盛山の看板をみつけて尾根を続けて進むけど、今までで一番の深い薮でなにも見えないので必死に高見をめざし少しずつ進むと急に前が開けて登山道へ飛び
出た。 |
すばらしい景色が待ち受けていて、目前に八ヶ岳、岩肌が 凍って光でピカピカしてるのまでみえた。南アルプス、富士山。時間的に一番美しい瞬間に出会えたのだろう。さっきまでの腐った気持ちはどこかえ吹き飛んで しまった。 |
平沢山 |
登山道では4、5人すれちがって挨拶を交わす。足下は やっぱり雪はほぼなくてドロドロ道であった。飯森山の直下で14:20。山頂まですぐ だけど行こうか迷ってやっぱり止めた。清里まではまだちょっと距離もありそうだし、いつも利用させてもらっている旅館のお風呂の時間にはもう間に合わない ので迷惑かけそうだし。それにもう今日はいろいろ翻弄されて、予定以上にいっぱい歩いてきたのでもう大満足である。こちらのコースはよく整備された道で登 山口まで車でこれるようだ |
傾いた光がさす道をぬけて人家、別荘地帯、牧場まわりの
道路進んで清里へ帰ってきた。 疲れた足を温泉で癒した後17時過ぎの小海線にことこと揺られて帰京した。 |
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すばるM45山の会 . |