南アルプス 聖岳、赤石岳、荒川岳  縦走(小屋泊)

日 程: 2016年 8月6日(土)〜8月9日(火)
山域: 聖岳 - 赤石岳 - 荒川岳(南アルプス)
形式: 読図ハイ キング
メ ンバー: Tad
記録: Tad
行程: 8/6 (土)10:00〜16:30 聖沢登山口〜聖平小屋
8/7(日)5:00〜14:00 聖平小屋〜奥聖岳〜兎岳〜百間洞山の家
8/8(月)6:00〜14:00 百間洞山の家〜赤石岳〜中岳避難小屋
8/9(火)6:00〜15:00 中岳避難小屋〜荒川岳〜千枚小屋〜椹島ロッジ


■8/6(土)

登山口のある聖沢には畑薙ダムの臨時駐車場を9時に出る東海フォレストの送迎バスに乗る必要があります(その次のバスでは聖平小屋に着くのが夜になる危険 があります)。そのため4時にバイクで府中を出発、なんとか8:40駐車場に到着できました。東海フォレストのバスには系列の山小屋で使える3,000円 のチケットを購入して乗り込みます。40分ほどして聖沢登山口で下車しますが、ここにはトイレがありませんので注意が必要です。

1.jpg


身支度を終えて予定通り10時にスタートしました。しば らくは植林された杉林のつづら折りの坂を登ります。気温も高く、樹林帯のため風も吹かず、蒸し暑いです。

2.jpg


しばらくして、吊り橋が現れます。吊り橋を渡りきったら 川辺に降りて涼むことができます。私はここで顔の汗をふき、飲み物を川の水につけて冷やしながらランチを取りました。

3.jpg 4.jpg

そ こからまた、急坂が始まります。この日はよく晴れて気温もうなぎ登り、もう汗だくです(^_^;)。と、同時にペースが落ち始めました。今回、三泊で荷物 を軽くするため、山小屋泊にしましたが、途中どうしても避難小屋を行程に入れないとならず、シュラフ、マット、念のためツェルトも持参、おまけに自炊なの でテン泊とほぼ同じ装備です(ちなみに中岳避難小屋ではシュラフ、マットを貸し出していました。。Σ( ̄ロ ̄lll))

途中、岩頭滝見台から聖沢に落ちる滝が見えます。しばらく眺めていると遠くで雷鳴が聞こえてきましたので先を急ぎます。

5.jpg 6.jpg

聖平小屋にはほぼ予定通り17時前に着きました。聖平小 屋に着くとウェルカムドリンクならぬフルーツポンチが食べられます。疲れたからだに甘さが効きます(><)。また、17時前着にもかかわらず 夕食も提供いただけましたm(_ _)m。

7.jpg 8.jpg

なお、この日は結構、混んでいたようで、私の寝場所は横 30cmです。土曜日とあり覚悟はしてましたが、寝返りもままならないので正直きつかった(><)。と、疲れているにもかかわらずあまり眠る ことができないまま二日目をむかえました。。

■8/7(日)
縦走二日目です。聖平小屋を5時に出発。2,200mを超えるとこの時期でも朝晩は寒いです。出発して間もなく聖平に出ます。面積は小さいですが、湿地帯 の中を木道が続き気持ち良いです。上河内岳にかかる雲が幻想的です♪
 
9.jpg


標識を聖岳方面に分岐し登りに入ります。野辺にはお花が 咲き誇り綺麗です。途中、大きく崩壊した薊畑の分岐に着きます。薊畑からは上河内岳、茶臼岳が一望できます。

10.jpg 11.jpg

さらに登ると森林限界を過ぎガレ場になります。雄大な聖 岳の姿に圧倒されながら登ると小聖に着きます。2,662mです。ここから約350m登ると聖岳ですが、小聖から見える聖岳への登山道は岩場の連続なの で、カメラもザックにしまい登りに備えます。

12.jpg


はじめは岩場で3点支持で登っていきます。しばらくする とつづら折りの砂礫の登山道となります。滑るので注意して登ります。そして、ほぼ標準タイムで前聖=聖岳(3,013m)に到着です(^o^)。

13.jpg


ザックをデポして、奥聖に寄り道です。途中、平らな庭園 みたいな場所があり、お花が咲いていました。

14.jpg


奥聖から戻り、少し休憩したのち次の兎岳を目指して進み ます。なが〜い下りになります。ただ、地図には岩場注意との表示がありましたが、さほどきつい岩場はありませんでした。途中、赤石山脈の由来となっている チャートの露岩がありました。

15.jpg


聖兎のコルに着くと、そこから兎への登り返しです。しば らくして岩場の登場です。背後から照り付ける太陽光で岩も熱くなっており、汗が滝のように流れ落ちます。その汗が眼鏡におちて、まるで水中の中を歩いてい るような歪んだ形で見えます(@@;)。

汗と岩場に悪戦苦闘して登ること20分ほど、ようやく斜度が緩くなったところに避難小屋の前の標識が現れます。そこでひと休みして、10分ほど登ると兎岳 (2,818m)の頂上に到着です。

16.jpg


聖平小屋の弁当(大きなおにぎり)をほおばり休憩してい ると、先ほどまで雲がなかったのに、いつの間にか空が騒々しくなっています。やはり午後になると天気が崩れるなぁと思い、急ぎ今日の目的地の百洞の家に 向かいます。兎岳から次の小兎までは緩やかな下りと登りです。

17.jpg


小兎を登り切ると、目の前に鋭角にとがった中盛丸山が現 れます。午後の疲れた体にとって、この山容は意欲を削がれます(>_<)。

18.jpg


小 兎からいったん下って、少し登り返したところで学生の登山部?のパーティが休憩していたので、私も休憩しました。が、あちらはとても華奢に見える女子学生 が私よりはるかに重そうなザックをしょってます。。負けられないとの思いで中盛丸山に挑みますが、途中で体力が尽き休憩していると学生さんたちが「お先に なります」と、抜いて行きました。。負けるまいと重い腰を上げて登りますが、差は開くばかり、、最後は若さの違いだと自分に言い聞かせて登りました (~_~;)。

そんなこんなで気づくと頂上に着きました。見た目より意外と高低差は大きくないようです。頂上では学生たちも休んでいましたので、ここぞとばかりに抜き返 して下りました(^o^)


19.jpg


百洞の下降点から小屋に向かう間は下りですが結構長い です(^^;。

20.jpg 21.jpg

百洞の家では聖平小屋よりは広いスペースが与えられ横 50cmほどありましたので、この日は前夜の分も熟睡できました。あと、驚いたのは夕食がとんかつで、且つカレーもご飯にかけることができ、山小屋にして はリッチな夕食でした。と、満足しながら眠りについた二日目の夜でした(*^▽^*)

■8/8(月)

縦走3日目は百洞の家を5時に出発。まずは小屋の裏手の急坂を登ります。登っている途中に大沢岳に当たる朝日に感動しながら登り切ると、百平の平らな 台地が広がります。その先には赤石岳が控えています。

22.jpg 23.jpg

百間平の平らな登山道を気持ちよく歩いていると、少し傾 斜が出ててきます。ここは赤石岳に続く稜線です。ここもとても気持ち良く登れます。

24.jpg


が、気持ち良い稜線は長くは続きません。あっという間に 赤石岳のガレ場の始まりです。山全体がガレ場になっていて、その中に登山道がくっきりとあります。

25.jpg


最初は大きな岩が折り重なっていたのですが、途中で折り 返したあたりから細かい砂利に変わり、つづら折りの道に変わります。この坂を1時間ほど登ると赤石岳の広い山頂部に到着です。隆起してできた山のはずです が、ここだけはまるで火山の火口のような様相です。

26.jpg


赤石避難小屋と山頂の分岐を山頂方面に曲がるとすぐ山頂 です。 山頂からは富士山をはじめ南アルプスの山なみが一望できます。

27.jpg


少し休憩した後、小赤石岳に向けて歩を進めます。

28.jpg


小赤石岳を過ぎると荒川小屋に向けて下りが始まります が、この下りから見える荒川三山の景色は抜群です。

29.jpg


また、下の方に目をやると大聖寺平が見えますが、下って も下っても平らになりません。上から見るとまるで平に見えるのですが、何段か緩やかな斜面が重なっているようです。

30.jpg


大聖寺平の分岐に着いたとき11時だったのでランチしま した。百洞の家のお弁当は小さいおにぎりが三つです。ちょっと少ないかな?

腹ごしらえを終えて、荒川岳にトラバース道を歩きます。ここは広々としてとても気持ちが良いです。徐々に荒川岳が眼前に迫ってくる感じです。


31.jpg 32.jpg

しばらくして森林限界から樹林帯に入り、荒川小屋に到着 です。中岳避難小屋は尾根沿いにあるため、水場がありません。そのため、荒川小屋で水を補給します。で、その水の量が半端ありません。まず、これから中岳 に登る分(0.5リットル)、食事に使う水(1.5リットル)、そして、翌日の分(1リットル)。合計3リットルです(@@;)。

33.jpg


荒川小屋で水を補給し中岳に向けスタートです。大きな石 がゴロゴロとした、且つ狭い登山道です。途中、水場があり、冷たかったので、頭を洗いリフレッシュしました(*^▽^*)

34.jpg


登る途中、雲が広がってきました。しだいにガスに包まれ ていきます。あっという間に真っ白けです。と共に足元にお花畑が広がります。幻想的な風景の中を中岳向け登りますが、午後に急登は堪えます。また、風が強 くなると寒いです。先ほどまで汗びっしょりだったので余計に寒く感じます(>_<)。

寒さと、ガスと葛藤しながら、ようやく尾根に辿り着きました。左手に前岳、右が中岳、避難小屋方面です。疲れていたのと、寒かったので、中岳方面に向かい ました。分岐から5分でたどり着きます。そこから5分で中岳避難小屋です。小屋にたどり着くと、すかさずビールを購入し疲れを癒しました。(*^▽^*)

で、ビール片手に外でくつろいでいると、目の前のガスが七色に輝くではありませんか!。。小屋のとがった屋根でブロッケン現象が起きてました!頑張ったご ほうびです(*^▽^*)


35.jpg 36.jpg 37.jpg



38.jpg 39.jpg

■8/9(火)

縦走最終日、4時前に起きて朝食の準備。朝食はカレーです。朝からがっつり食べて小屋を出たのは5時過ぎていました。この日は椹島まで下ります。送迎バス が14時なのでうまくいけば送迎バスにに乗って下界でおいしい食事にありつけます(*^▽^*)。

小屋を出てしばらくは中岳からアップダウンを繰り返しながらの緩やかな下りで、お花畑が散在しています。


40.jpg 41.jpg

鞍部に着くと目の前に岩場の壁が立ちふさがります。ヘル メットを装着し岩場にとりつきます。朝から結構ハードな岩場です。ただ、眺めはサイコーです。

そして、岩場を過ぎると、、ライチョウさんがお出迎えです。が、登山道を占領して通せんぼです。。仕方なく近づいて登山道を開けてもらい先に進むことがで きました(;^ω^)


42.jpg


そして、しばらくすると荒川東岳(悪沢岳)に到着です。 山頂は岩ごつごつで、この先は巨岩を手足使いながら気を付けて下ります。岩場を抜けると丸山の平らな地形が目に入ってきました。ここもとても気持ち良い登 山道でお勧めです(*^▽^*)

43.jpg 44.jpg 45.jpg

丸山を過ぎ、緩やかな草原を歩いていると、トラバース道 になります。周りはお花畑です。花には蝶やハチさんが忙しそうに蜜を集めてます♪楽しい時間をひと時過ごすと、、目の前に岩場が現れました。高さは10m ほどでしょうか。そんなに大きなところではないですが、角度はきついです。60リットルのザックが岩にあたると危険なので慎重に登りました。2か所岩場を 登りきると、千枚岳に到着です。これで今回の縦走の山はすべて登りました。

46.jpg 47.jpg 48.jpg

その後は樹林帯の中を椹島に向け下山ですが、、長いで す。14時のバスに間に合うかわかりませんが、走れるところは走りながら下りました。なお、椹島が近づくにつれ、登山道が識別しにくくなります。マーキン グが少ないのとあちこち踏み跡があり、迷いやすいので注意した方がよいです。

椹島ロッジに到着したのは13時半で、何とか14時のバスに間に合いました。これで4日間、40kmの縦走が終わりました。その後はバスで畑薙ダムの駐車 場まで下り、バイクに乗り換えて、清水市の健康ランドに泊まりました。久しぶりに温泉と新鮮な刺身を頂き満足でした(*´▽`*)

また、来たいなぁ♪


49.jpg 50.jpg

以上

chronicle
return
すばるM45山の会
.
subaru M45 alpine club
inserted by FC2 system