モロクボ沢 - 滑棚沢左俣 - 雷木沢右岸尾根 (西丹沢)

日 程: 2017年 9月10日(日)
山域: モロクボ 沢 - 滑棚沢左俣 - 雷木沢右岸尾根(西丹沢)
形式: 沢登り
メ ンバー: ななこ(CL) ゴロー ザク
記録: ザク
集合:
小田急線 新松田駅着7:03乗車 西丹沢自然教室行きバス7:20発乗り場
行程: 西 丹沢自然教室発9:15 〜 やまびこ橋9:31 〜 モロクボ沢入渓点10:00 〜 F1大滝25m10:20 〜 F5上の堰堤11:15 〜 水晶沢出合い11:28 〜 滑棚沢出合い12:11 〜 滑棚沢二俣12:41 〜 登山道に出る14:10 〜ジャガクチ丸14:15 〜 水晶沢ノ頭14:50 〜 雷木沢右岸尾根 〜 やまびこ橋16:52 〜 西丹沢自然教室17:30(全行程約8時間15分)


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 電車、バスを乗り継ぎ終点下車、西丹沢自然教室に登山計 画書を提出します。
登山道を白石峠の方向にすすみ、途中で分かれてコンクリートの小さな橋で白石沢を渡ります。続いてモロクボ沢にかかる赤い橋(やまびこ橋)を渡り、少し沢沿いの踏 み跡を進んで堰堤を二つやりすごしたところで沢支度。西丹沢はけっこう遠いこので10時の入渓になってしまいました。もっとテキパキと準備しなけ ればと反省。

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西丹沢自然教室で計画書を出します
やまびこ橋をわたる


しばらくは石のごろごろした広い河原を歩きます。暑くも なく寒くもなく気持ちのいい日です。夏のなごりを惜しみながら木漏れ日のなかを進みます。
15分ほどで、さっそくF1大滝(25m)が向こうに見えてきた。水しぶきが光を浴びてまぶしく、石英閃緑岩は白く美しい。

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向こうにF1大滝が見えてきた
F1大滝(25m)


右岸にあるという巻き道の岩溝はどこかな?ちょっとわか りにくいけど沢床から一段あがって踏み後があり、大滝の壁に向かって進むと写真で見るあの大きな階段状が隠れていました。
背の低いななこさんもいるので、ここではロープをだすことに決めていました。ビレイしてもらって岩にとりついてみると、たしかに一段が大きく大股びらきになっ てしまいます。
終了点の立ち木で確保し、後続がさらにトラバースして滝の落ち口までロープをのばす。
やさしいながらも腕力でのぼる高度感のあるクライミングで、一気にテンションが高まります。

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巻き道の岩溝
岩溝


滝の落ち口はプールのようになっていて、恐ろしいような 感じですが、とても美しいところです。


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大滝の落ち口はこわい
落ち口
F2

向こう側に、すぐにF2。水量が多くて一瞬ためらいます が、とりついてみるとフリクションがよくきくので、どこからでも登れそうです。水流を足下にして一気にかけのぼるように上がってしまいます。

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F2
F2


さらにそのまま美しいナメがつながって歓声が出てきま す。ヌメリを感じない絶好のコンディション。おだやかな日差しで沢も明るく、ひたひたとたどっていくと知らないうちに癒されていることに気づきます。
すぐに大きな釜のあるF3。もうちょっと暑い日だったら釜のなかに入ったかもしれませんが、一番簡単そうな右の肩からこえていきました。
 
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F3
F3

むこうに堰堤のみえるF4は釜のへつりが難しいのでは? と見えましたが、ななこさんの的確なルートでなんなく通過。右から左に水流を横断してこえる。

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F4の釜をへつる
F4


堰堤がみえてくると、モロクボ沢の楽しい部分は終わりな ので名残惜しいです。
堰堤手前のF5は右のコーナーをたどりました。

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F5
F5


堰堤をこえると、ふたたびごろごろした河原歩きとなっ て、しばらくの辛抱。
水晶沢の出合い。支流の水晶沢が正面にあるので注意していたのにやっぱり引き込まれそうになる。少し休憩してから本流へ進む。
堰堤をこえると、ふたたびごろごろした河原歩きとなって、しばらくの辛抱。
水晶沢の出合い。支流の水晶沢が正面にあるので注意していたのにやっぱり引き込まれそうになる。
少し休憩してから本流を進む。
さらに左側に善六ノタワへ向かう大きな谷をやりすごし、わずかで
滑棚沢出合いに到着。たしかに奥に大きな滑滝が見えるので、すぐにそれとわかりました。

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水晶沢出合い
滑棚沢出合い


支沢の滑棚沢に進むと水流はすくないが、ふたたびナメが 多くなる。
出合いからみえていた大きなナメ滝は、傾斜があり心配したが、とりついてみるとフリクションがきいて簡単。

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出合いからみえた傾斜のあるナメ滝
傾斜のあるナメ滝

今日はぬめりというものを感じない。かけあがりたくなる ような快適さだが、いつもこんなコンディションとはかぎらないのではと思う。

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どんどん進んで、すぐに正面に階段状の5mの滝があらわ れる。
他の記録でロープを使っているようなので、慎重に右側からとりついて岩の間を目指してぬける。
ゴローさん、ななこさんは、正面から水流をあびながら、楽しくびしょぬれになってのぼってきた。

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階段状5m滝
階段状5m滝
階段状5m滝

これをこえると、枯れたスラブになって源流の様相。
すぐに二俣となり、左俣に進む。

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二俣 左俣にすすむ
ナメ


やがて小さなV字状の谷 になり、スラブの小さなゴルジェのようなかわった地形をつっぱりながら、楽しくこえていきます。
さらにわずか3メートルほどの棚をこえるワンポイントがとても難しい。右のクラックに沿ってあがり、マントリングで這い上がるが、ちょっと肩をいためてい るゴローさんは厳しそうです。

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ミニミニゴルジュをつっぱってこえる
3メートルの棚 ワンムーブのマントリング


ここを越えるとどこを見回しても、風化したザレの急斜 面。つめあがりたいのだが沢床から樹林までの距離が長い。
あやうい急斜面をだましだましあがるしかない。こんな場所が得意のななこさんが先行してなんとか斜面をはいあがり、偵察するとわずか2、30メートルで登 山道だった。後続は、時間がかかってしまったが、樹林に到達するまでの斜面をロープを出してこえる。

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ツメの急斜面
登山道にでる


登山道に出て沢支度を解いて一息。が、まだまだ先は長 い。
登山道で下山するとなると、畦が丸経由でも白石峠経由でも、かなりの大回りだ。
そこで途中の「水晶沢ノ頭」から近道となる尾根を読図しながら下って入渓点近くに戻る計画だ。

歩き始めるとあっと言う間に「ジャガクチ丸」に到着したので、つめあがった地点はピークの西南の直下だった。さらに「水晶沢ノ頭」にむけて進む。登山道を たどっていくと、遠くに雷鳴が聞こえるようになり、いつの間にか曇って薄暗くなってきた。
雷鳴はだんだんと頻繁になり気がかりだ。なんとか持ちこたえてくれるとよいのだが。
水晶沢ノ頭に到着すると、ベンチがあり、少し休憩。

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ジャガクチ丸
水晶沢ノ頭


さて、ここから読図で尾根を降りようとするが鹿柵がじゃ まになって進むことが出来ない。
鹿柵の向こう側にまわりこんでから尾根をさがしていると、雨がぽつりぽつりと落ちてきてすぐに雷雨になってきました。
ものすごい雨のなか急いででカッパを着るが、すでにびしょぬれ。時間もおしてきて、雷雨で見通しがなくなり、どんどん地面がぬかるんでくるとあせってしま います。
読図下降はやめて、時間がかかるけど登山道を白石峠経由で降りようかとも相談をはじめるが、もう少し探してみようと柵を回り込みそれらしき大きな尾根を発 見。ルートと確信する。ただしここでミスをすれば明るいうちに帰れないかもしれません。普段は使わないことにしているのですが、一回だけスマホをとりだし て、GPSアプリ(ジオグラフィカ)で現在地を確認。すごい威力だなといつも思います。


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やっと下降する尾根(雷木沢右岸尾根)をみつける
読図ルートを相談しながら下降する


この後は、順調に読図で下降。簡単との記述もあるが踏み 跡を慎重にたどれば下山可能というわけではなく、読図の能力が絶対に必要。迷い込みそうな尾根はいくつもありました。
830m近くで仕事道と合わさる。アルミのはしごを渡り、脚立で鹿柵をまたぐが、道は途中でふたたびあいまいになってしまった。


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920mあたり 尾根がこまかく屈曲するのでわかりにくい



小さな支尾根 にはいるが傾斜は急だ。最後は支尾根の先端までいかないで、土留めをつたって雷木沢の沢床に降りる。沢に沿って少し歩くとやまびこ橋に出た。

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雷木沢の沢床におりる
やまびこ橋に戻る

出来れば乗りたかった5時のバスには間に合わないので、 ゆっくりと下山。バスは2時間待つことになったけどルートミスで登り返すことはなればたいへんだったので良しとします。
夏の終わりを惜しみながらの沢はとても美しく、クライミングっぽいのも楽しんだし、雷雨のなかのスリリングな読図もやったので、楽しく充実した日になった のでした。
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